母の日に選ばれる絵本が描く「親の切なる願い」 母は相反する感情を胸いっぱいに持ちこたえる

その いっぽん いっぽんに キスを した。
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若い母親と小さなあかちゃんの出会いからはじまるこの絵本の原書に、私は翻訳者として出会いました。いまから13年前のことです。
「わたしのあかちゃん」は、やがて「わたしのこども」になり、母親は寝顔をみつめて、その子の未来を夢みます。
わたしも ときどき ゆめを みる……

いつか きっと、あなたも とびこむのだろう
そして、次の場面で、私はおもわず息をのみました。
思春期のきらめきと鋭敏な感覚を、こんなふうに瑞々しく表現するなんて……と。
ひんやり すきとおった みずうみの みずの なかへ。

どのページにも、子の成長を見守る母の気持ちが淡々とつづられています。やさしい言葉でありながら、その純度は高く、まさに詩でした。
詩の翻訳はとても難しいので、すこしでも良い翻訳をするために、私は著者のアリスン・マギーとメールのやりとりをはじめました。

















