ポカリスエット「中高生自撮りCM」制作の舞台裏

リモートワークで激変する広告制作の現場

大塚製薬の清涼飲料水「ポカリスエット」の最新テレビCMは、約100人の中高生が自宅で歌う様子を集めて制作された(写真:大塚製薬)

「目覚まし、登校、ホームルーム、今日、日直誰なの、トップニュース!」

ラップ調の歌が始まり、段々と歌う人数が増えていく。

「今しかない、この一瞬は、今を生きている、僕らの歌」「今だ、今だ、今だ、今なんだ、歌おう、僕らの歌」

最後は大勢の合唱で締めくくられる。

およそ100人の中高生たちがスマートフォンで自撮りしながら歌うテレビCMが4月に流され、ネット上で大きな話題となった。大塚製薬が電通などと制作した清涼飲料水「ポカリスエット」の広告だ。

生命力をキーワードに若い世代に訴求

新型コロナウイルスの感染拡大によって大人数が集まって撮影することが困難になったが、CMの内容が休校になっている現状と重なり合い、注目が集まった。

中高生の自撮りによって完成したポカリスエットのCM

大塚製薬はここ数年、ポカリスエットを若い世代に訴求すべくCMを変えてきた。同社宣伝部の上野隆信課長は「2010年にポカリスエットが発売から30周年を迎えた際に原点回帰で機能を伝えることに注力した結果、熱中症や風邪のときに飲むものとして浸透した。ただブランドとしては若い人に飲んでもらいたいと考え、“生命力”をキーワードにCMを企画してきた」と話す。

2016年からは「ダンス」をテーマとしたCMを展開。2020年は合唱をテーマに、約500人の学生が一堂に集まって歌う企画を2020年1月に決めた。だが新型コロナの影響を受け、全員が集まる撮影の中止を2月下旬に判断した。

そこで3月に入ってから撮影手法を自撮りに変更し、もともと出演予定だった500人の学生の中から再度出演者を募り、最終的に97人が参加。歌い方や撮影時の表情の注意点などを動画にして学生に送り、各自が自宅などでスマートフォンを使って撮影した。4月10日からウェブサイトで、17日からテレビでの放映が始まった。

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