8月が終わり、暦の上では秋に入った。今年の夏も暑い日が多かった。汗をダラダラかくほどの暑さの中では、熱中症対策の水分補給という観点からも、ジュースやお茶、スポーツドリンクなどの清涼飲料水をつい買い求めたくなるものだ。
清涼飲料水(ソフトドリンク)とは「一般に飲んだとき、さわやかで、のどの渇きをいやすのに適した飲み物。アルコール1%以上のアルコール飲料や牛乳、乳酸菌飲料以外の飲み物」(日本コカ・コーラHP)をいう。ペットボトルや紙パックのお茶、コーヒーなども広義に含まれる。
そんな清涼飲料で売れ筋となっている商品は何だろうか。筆者は5000万人規模の消費者購買情報を基にした全国標準データベース「True Data」を使って、主要な全国のスーパーマーケットのPOSデータを調べてみた。清涼飲料の売れ行き上位100商品について、100万人がスーパーマーケットに入店したとして、その100万人単位における売上金額を調べ、ブランド・商品別にランキングにした。
スーパーを対象とした調査で、コンビニエンスストアやドラッグストア、街にちらばる自動販売機の動向を加味していないため、主には一般家庭向けに強く、売上金額が「数量×単価」で割り出されるため、単価の高めな商品が上位に並ぶという、多少の偏りがあることをお断りしておきたい。また調査対象期間が2017年5月15日~8月6日であり、夏場の売れ筋になっている点も付け加えておきたい。ランキングにはノンアルコール・ビールやノンアルコール・カクテル、また6本セットなどの複数本パッケージは含んでいない。
「アクエリアス 2L」が1位
1位は「アクエリアス 2L」(日本コカ・コーラ)。100万人当たりの売り上げは93.6万円だ。アクエリアスは「ポカリスエット」(大塚製薬)と並び、日本で最もポピュラーなスポーツドリンクで2リットル入りの平均売価は131円。コストパフォーマンスの高さから、家庭向けに買い求めるニーズが強いのだろう。ちなみにポカリスエットは500ml入りが11位(同65.9万円)にランクインしている。
2位には「ネスカフェ エクセラ ボトルコーヒー 甘さひかえめ 900ml」(ネスレ日本)が入った。100万人当たりの売り上げは88.2万円。3位には「コカコーラ OTGボトル PET 500ml」(日本コカ・コーラ)が同79.8万円で続いた。
上位の多くを占めるのが歴史の長い定番品だ。いわばベタな商品が並んでいると気づく。アクエリアス、ネスカフェ エクセラ、コカコーラ以外では、「伊右衛門」「お~いお茶」「健康ミネラルむぎ茶」「三ツ矢サイダー」などだ。定番がもっとも訴求性がある。いま無数の商品が投入されているが、この定番に残るのが難しい。逆に、いったん定番となれば、消費者の購買行動に習慣づくことによってロングセラーとなる。
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