重税国家なのに、低福祉国家?
そもそも社会保障の破綻を防ぐのが主要目的のひとつであったはずの消費税増税。この程度の増税ではその社会保障破綻の波をピクリとも防ぐことができないばかりか、その増税分のかなりの分が経済対策で使われることになっている。消費税は3%上げても社会保障費の確保には焼け石に水である。
経済対策に関して言えば、非効率な政府の手を通さず減税に回して小さな政府に徹してほしいところだが、重税国家で繁栄した国は歴史上なく、スウェーデンなどの北欧諸国は福祉の充実という裏付けがあるからこそ、高い税率が受け入れられていることを肝に銘じたい。
この重税(特に富裕層に対する重税)に見合った世界水準の行政サービスを提供できているかははなはだ疑問だし、メディアや国民には厳しくモニタリングしてほしいと思う次第だが、残念ながら日本は超重税国家めがけて邁進している。しかも北欧とは異なり、税金が上がる割に社会福祉の水準は低下するという重税・低福祉国家に陥ろうとしている。
実は消費税増税後の4月のほうが、物価が安いケースも
末筆ながら、最後に明るいニュースをお届けしよう。私は3月末、テレビとかオーディオセットを“消費増税前のファイナルセール!”とかいう踊り文句に踊らされて某大手家電量販店で買いまくったのだが、昨日4月7日、店にどれだけ閑古鳥が鳴いているか、私にいろいろ売りつけた店員さんを冷かそうと思って足を延ばしたら、なんと3月末より値段をぐーーんと下げて、格安で私が買い替えたテレビを売っていたのだ。
そう、量販店も考えている。3月末には増税前で需要が上がるので値段は高く維持でき、逆に4月で消費税増税効果で需要が急減したので、値段を割り引いて需要喚起をしていたのである。
金融の世界に長らく身を置いていながら、この経済学的に常識的に起こりうることを見通せず、大量の駆け込み需要で200万円くらい使ってしまったグローバルエリートの弟子。おまけに日本のテレビ番組の質は最悪だ、とか言いながら60インチの最新テレビをしっかり買い込んだ隠れバラエティ番組ファンの私。
そんな私がわが師・グローバルエリートを超えた、理論を実践できる一流のエリートになるには、まだまだ遠い道のりがあるようである。
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