アベノミクス1年目の2013年の日本市場では、歴史的な株高が実現した。それを支えたのがアベノミクスの発動であり、日本経済は3年ぶりに高い経済成長率を実現した。では、実質2年目となる2014年度の日本経済はどうなるか?
増税による「成長押し下げ圧力」は実質約5兆円
2013年度と2014年度で異なる点は、景気回復を支える経済政策だ。2013年度は、金融政策、財政政策ともに総需要(消費、投資)を押し上げた。ただ、2014年4月以降は金融緩和というアクセルは変わらないだろうが、財政政策においては消費増税というブレーキがかかる。政策の組み合わせに変わるわけだが、この大型消費増税の大逆風に、日本経済が耐えられるかどうか。
安倍政権は、8兆円分の消費増税決定と同時に、2013年末に経済対策を打ち出した。ただ、実際に消費増税に起因する景気下押しの悪影響を和らげるのは、復興特別法人税廃止の前倒し、低所得者向けの家計への給付措置など約2.5兆円に限定される、と試算される。つまり、2014年度には、個人消費を中心に、少なくとも5兆円程度(GDP比約1%)に相当する規模で、経済成長率に押し下げ圧力がかかる。
このため、2014年度の個人消費は前年比マイナス0. 5%と減少に転じるだろう。消費増税による負担は可処分所得の約3%に相当する。この増税分を、賃金や雇用の回復では相殺できない。2013年のアベノミクス景気を牽引した、個人消費だけに期待するのは難しい。
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