2013年、日本のマーケットでは、大幅な株高とともに円安(円高修正)が大きく進んだ。アベノミクスの「第一の矢」である金融緩和強化により、20年弱にわたる長期停滞から日本経済が抜け出す「歴史的な転換点の年」だった、と筆者は考えている。
一方、「マネーを刷るだけの金融緩和強化」によって、株高など金融市場が一時的に盛り上がったたけで、「日本が抱えるさまざま問題は、解決につながらない」と、アベノミクスに対して懐疑的な考えの方も多いようだ。
アベノミクス=円安政策=通貨価値の堕落?
この12月に入ってから、ドル円相場は1ドル=104円台まで円安が進み、為替市場で5年ぶりの円安ドル高となっている。いまや、1ドル=110円以上の円安論も珍しくなくなってきたし、実現する可能性も少なくないといえる。だが、この1年あまりで20円以上円安に動いた為替市場の動きについて、アベノミクスへの疑念を持つ方は、「自国の通貨価値を堕落させる筋が悪い策」と、嫌悪感を抱いているかもしれない。
また、アベノミクスとは関係なく、例えば外交上の視点で、「円安で、日本の国際社会におけるが地位が低下してしまう」と懸念する方もいるかもしれない。あるいは、「日本人が海外旅行に出掛けた際は、円ベースでの支払が多くなり、円安によって余計な出費を強いられる」と不満を感じている方も多いのではないだろうか。
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