今週末には有馬記念がある。間違いなく年末がやって来たのだ。今年(2013年)を相場的に要約すると、「アベノミクス」の金融緩和を背景に、円安と株高が進んだ一年だったと言えよう。予想に自分の利害を持ち込むことは禁物だが、多くの投資家にとっては、喜ばしい一年だったろう。
いまはまだ、バブルではない
現状を確認しておこう。
株価から見る限り、現状は「まだ、バブルではない」。日本経済の名目成長率がプラスであることが予想されている中で、益利回りは6%以上あり、長期金利が0.6%~0.7%なのだから、少なくとも「割高」ではない。為替レートも、リーマンショック前の水準を考えると、ドル・円で見てまだ十数円くらい円安にする余裕がある。
そして、円安・株高をもたらした金融緩和政策は、今後しばらく継続されるはずだ。「物価上昇率2%」の目標が達成確実になるまで、日銀が金融緩和のペースを落とすことはなさそうだ。このあたりの感じは、理由は異なるが1987年のブラックマンデー後に日銀が金融引き締めできず、次の利上げがバブル最終年の1989年まで持ち越された、1980年代後半のバブルの状況とよく似ている。
当面、具体的に心配しうる最大の懸念は2014年4月の消費税率引き上げが日本経済にショックをもたらす可能性だ。政策が絡む問題なので、純粋な予想には馴染まないが、この心配は乗り切れる公算が大きいと見る。現在、日本の政策をコントロールしているのは、財務省を中心とする霞ヶ関の官僚集団だが、彼らは、消費税率を10%まで引き上げて自分達が使えるお金の安定した原資を作りたいと思っているので、金融緩和の追加や財政の出動に躊躇するまい。
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