米連邦準備理事会(FRB)は18日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、債券購入額を月額で100億ドル減らして、計750億ドルにすると発表した。購入額は国債が400億ドル、エージェンシー発行モーゲージ債(MBS)は350億ドルとし、50億ドルずつ減額することとなった。
これは、投資家たちや市場関係者の予想に反したと言われている(2014年1月以降になると言われていた)が、それこそが大きな間違いだ。私自身は、今回縮小が始まると思っていたし、かつ、その縮小は実体経済に対しては何の意味も持たないものであると主張してきた。
なぜ、投資家たちの予想は間違ったのか。その予想の誤りはどうでもいい問題であるのか。今回のコラムでは、それを考えたい。
なぜ、量的緩和縮小は意味を持たないのか
まず、後者の問題を見てみよう。そもそも、意外な量的緩和縮小ということなら、株価は暴落してもおかしくないはずだ。量的緩和の出口をFRBのバーナンキ議長が示唆しただけで、今年5月23日は、世界中の株価が暴落したぐらいだ。しかし、今回は、FOMC声明発表直後、超短期、ほんの一瞬だけ株価指数暴落への仕掛け売りがあったものの、数十秒で大幅上昇に転じた。そして、ダウ平均は2時間後、前日比292ドル高で引けたのである。つまり、明らかな仕掛け、あるいは、いたずらである。
そう、誰も本気で量的緩和の縮小を恐れていなかったのである。
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