「これから世界が変わる。まずはわが国で史上空前のバブルが起きる」
そう言うと、必ずこう返す人たちがいる。「それでは米国の覇権がついに終わるのですね。米ドルが『崩壊』するのですね」。
2005年に自らの意思で外務省を辞め、「これから一体何が起きるのか」という一点だけに絞って研究を始めたばかりの私も最初はそう考えていた。恥ずかしながら、その直後の私の著作のタイトルを見て頂ければそのことがすぐにわかると思う。
米国は、ダミーに過ぎない
だが、12月6日に上梓したばかりの小著『ジャパン・ラッシュ』に至る私の一連の著作の中で詳しく書いて来たとおり、事はそんな単純なことでは全くないのである。詳しくは是非とも拙著(特に第1章)を読んでいただきたいが、かいつまんで言うならばこういうことになる:
●米欧が前々から感づいていたのは、これからの世界がある時を境にして「デフレ縮小化」するということだ。人類史上、稀に見る暖かさに恵まれた20世紀を通じ、米欧はその暖かさが故に活発に動くようになった人々に対し、マネーを次々に刷っては渡し、経済活動を拡大させてきた。つまり「インフレ拡大化」を続けてきたわけであるが、やがてそれが限界に達することに気づいたのである
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