資本主義の成長は、先進国を本拠地とするグローバル企業が、労働コストの安い新興国や途上国で大量に安い商品を作り、それを先進国で売りさばくことで成り立ってきました。
グローバル企業が進出することで、新興国や途上国では雇用が増え、経済成長を続けることができます。労働者の賃金水準も生活水準も上がっていきます。
資本主義サイクルの宿命とは
ところが、賃金水準が上がるにつれて、その国で作られる商品は、国際競争力が徐々に低下していきます。価格での強みが失われていくからです。そこで、グローバル企業はさらに安い労働力を求め、別の新しい新興国や途上国で商品を作るようになります。
資本主義はこのようなサイクルを繰り返して、市場を拡大し、成長を続けてきました。IMFの2014年の予測では、世界全体の成長は3.3%に落ちています。その予測の内訳は、先進国が2.1%、新興国が5.4%です。アメリカの住宅バブル崩壊前は、世界経済で5%成長していたといわれています。
大雑把な内訳は、先進国が3%弱、新興国・途上国が8%弱、これで平均して5%だったわけです。世界経済の平均成長率は、先進国の低成長と新興国・途上国の高成長が埋めることによって成り立っているのです。
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