韓国、経済指標と体感景気に激しい差

家計負債が急増、実質失業率も上昇

市民の台所、シジャン(市場)。韓国ではマクロ指標と庶民の体感景気に大きな差が広がっている

「お客さん? 当然いませんよ。当たり前のことなぜ聞くの? 景気がよかったらお皿もセットで買って行く人も多いし、個人のお客さんもまとめ買いするけど、最近はまったくいないね。使っていた皿が割れたりしたぶんだけ、1、2枚買って行く人だけよ。それでもね、数枚買っていく人たちはクレジットカードを使う人が多いのよね。そうすると、あっという間に信用限度に達してしまうのね。景気が悪いからかしら、これも」(ソウル・永登浦市場で32年間お皿のお店を経営するパク・スンオクさん)

「ニュースではなんだか景気が良くなったとうるさいけど、そこで言うところの複雑な数字はよくわからないのよね。景気がどうかなんて、それこそ、ここにたくさんある屋台に来るお客さんを見ればわかるわよ。景気が良くなければここに来る人も多いし、1人で来るお客さんも多いの。最近が特にそうなのよ。私にとってはお客さんが多ければいいけど、一方ではとても寂しい気分になるわよ」(ソウル・中区北倉洞で12年も屋台を引くキム・ギョンジャさん)

「お客なんて、いるわけないじゃない」

京畿道水原市にある大型量販店。今ここで最も売れているのは断熱シートだ。もともとは、商品などの破損を防ぐために巻くシートに使うもの。量販店の店員は「1日で1000個売れるほど人気」だという。これを窓に貼るお客が多い。突然の寒波に襲われた最近の天気も理由の一つだが、不景気で少しでも暖房費を節約しようという心理が働いたのではないかと説明する。断熱シートを買いに来たある主婦は、「借金を返して、税金も払い、公共料金も支払ったら残るおカネなんてない」と嘆く。「面倒くさいけど、ガス、電気代を少しでも節約しようとすれば、できることは全部やらなきゃね」。

朴槿恵政権元年となった今年、経済指標は回復の兆しを見せているが、庶民の経済は冷え込んだまま。市場で感じる不況のシグナルがかき消されるほど、マクロ指標には温かい風が吹いている。金融界が推算した今年の1人当たり国民所得(GNI)は2万4044ドル。2008年の世界的な金融危機の影響で09年には2万ドルを割ったこともあったが、10年には2万ドル台を回復、11~12年には2万2000ドルとなり今年は2万4044ドルと5.9%増額した。

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