韓国、経済指標と体感景気に激しい差 家計負債が急増、実質失業率も上昇

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12月の消費者物価上昇率も2%未満に留まれば、最も長い連続2%台未満の物価上昇率を記録することになる。これまでの最長記録は1999年1月から2000年2月までの14カ月だ。

 低物価が長期間続くと、一部では韓国が日本のように長期不況に陥ったのではとの指摘が出てきた。デフレ局面では物価が下落し、経済主体は消費よりも貯蓄を行い、企業が投資を避けるようになって経済が全般的に停滞する。今後も物価が下がると感じる経済主体が消費と投資を抑えるため、景気が継続して鈍化するという意味だ。投資心理は冷え込むほかない。

日本型デフレを警戒する声も強まる

前出のイム室長は「投資活性化が家計負債問題と重なりうるかもしれないが、不安心理を断ち、成長への希望を見せてこそ好循環へと戻ることができる」と言う。また、「好循環へと向かうきっかけとなるのは企業投資。政府が企業に将来への希望を確信させる必要がある」と強調する。

パク・ジョンギュ先任委員は「現時点の経済問題はいくつかの要素が絡まり合っており、どれ一つとっても手を付けにくい。枝葉末節的な政策では解決は難しい状況だ」と言う。ただ、「根本的なパラダイムシフトのために、それぞれの問題を個別に見ることではなく、一つ一つ精査して解決の順番を定めるのが必要だ」と付け加える。

(韓国『中央日報エコノミスト』2013年12月16日号、『中央日報エコノミスト』は『週刊東洋経済』と提携関係にある、韓国有数の経済誌です)
 

ハム・スンミン 韓国『中央日報エコノミスト』記者
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