韓国、経済指標と体感景気に激しい差 家計負債が急増、実質失業率も上昇

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経済指標と体感景気の距離が広がっている理由は何か。専門家からは富の偏在や企業と個人間所得の乖離、雇用不足と賃金上げ止まりによる家計の実質所得低下、家計負債の増加と固定支出の増加、住宅価格の低下などによるマイナスの富の効果が原因としてあげられている。一つ一つ見ていくと、これらは朴槿恵政権発足当時から解決すべきとされた経済懸案だ。

昨年、可処分所得基準で見た平均1世帯当たり所得は3645万ウォンだ。一方、統計庁や金融監督院、韓国銀行が全国2万世帯を対象に行った「2013年家計金融・福祉調査結果」を見ると、全世帯のうち50.2%の可処分所得が3000万ウォン未満、64.7%は4000万ウォン未満だ。少数の高所得世帯が平均値をぐっと引き上げていることになる。これさえも、今年の1人当たり国民所得の推定値である2万4000ドルとして計算すれば4人家族世帯の所得が1億ウォン以上となることを考えれば平均値は低い。多数の低所得世帯に経済回復の暖気が吹いてこない理由だ。

35%が「自分は下層に転落」

中間層の拡大は、今年8月29日に行われた国民経済諮問会議で、現政権における最上位課題として取り上げられた。朴大統領はこの日、「創造経済の実現とともに、中産層の復活は新政権の経済政策の核心」として指摘、中間層人口を70%にすることを最優先課題として打ち出した。朴大統領はさらに「経済協力開発機構(OECD)の所得基準では中間層に属していても自分を下位層と認識する人が多いが、そうであればあるほど国民の目線で問題を把握し、問題を解決する努力を行うべき」と強調している。最近、消費者保護院が発表した体感中間層の割合は62.5%で、1994年の81.3%以来の最低値を記録した。自分が下位層と認識する割合は34.8%に至る。

専門家らは「企業の輸出が増えているものの、内需の不振が続いていることが国民経済に致命的」と説明する。内需に依存する経済主体の中でも、大企業系列の事業者や専門職の自営業者はそれなりに状況はいい。内需が振るわなければ下位層が主に従事する業種への悪影響が強まる。卸・小売業、飲食・宿泊など伝統的なサービス、事業支援サービス、建設部門の低迷による不動産仲介・賃貸・家具・内装・引っ越し業などだ。これらに不景気が集中し、肌で感じる実際の景気がさらに悪く感じられているとの説明だ。

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