韓国、経済指標と体感景気に激しい差 家計負債が急増、実質失業率も上昇
住宅価格の下落は入居一時金額の高騰、そして家計負債の増加につながっている。借金が多ければ、それだけ実際に使えるカネが減ってしまう。消費の萎縮が深まる原因だ。今年3月末基準で、一世帯当たりの平均負債は5818万ウォンで、前年比6.8%増加した。同期間の可処分所得の増加率は4.9%で、負債が増える速度に家計所得が追いつけずにいる。
このうち、融資を受けるがそれが住宅購入に充てる場合や住宅以外の不動産を買うために充てる者は、昨年にはそれぞれ35.2%と16.6%だったが、今年は34.7%、16.6%と減少、横ばいとなった。一方、「チョンセ」と呼ばれる入居一時金が月払いの家賃に使う場合は5.8%から6.2%に、事業資金のために使う者は27.7%から28.3%に、生活費として使う者は5.8%から6.5%に増えた。市民団体である経済正義実践連合会経済政策チームのキム・ハンギチーム長は「政府がチョンセに充てるカネを借りやすくしたり、負債返済を猶予したりすることが、かえって庶民経済によくない影響を与えている」と指摘する。
家計負債の増大が成長のネックに
家計負債が経済成長のネックになっているようだ。今年第3四半期(7~9月)の家計負債は991兆7000億ウォンを記録した。年末には1000兆ウォンを突破し、来年に満期を迎える家計負債が110兆ウォンに達する。あるマクロ経済専門家は、「韓国の家計負債はIMF(国際通貨基金)のラガルド総裁がわざわざ指摘するほどで、誰もが知っている。すでに以前から指摘されてきた問題」と言う。「家計負債自体が問題ではなく、知っていながら解決できないのが問題だ」。
韓国金融研究院のパク・ジョンギュ先任研究員は「世界金融危機以降、労働生産性は向上したが実質賃金が停滞している。経済指標と体感景気の乖離は家計と企業所得との関係が断絶していることが大きい」と説明する。企業が収益を上げて経済指標はよい方向に出るが、これらが雇用の増加や賃金上昇につながらず、家計支出の余力が小さくなるという指摘だ。経済成長の果実が家計にきちんと回らず、企業から家計に流れなくなれば、輸出中心の成長戦略を補完していた好循環が断たれてしまう。
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