グローバルエリートの弟子が目撃した、3月駆け込み需要
実際のところ、私が3月に回った店はどこも忙しくて忙しくてたまらない、という感じであった。表参道の私が好き好んでいる無垢材の家具屋さん、カグラではソファをオーダーしたら6月くらいまで待たなければ生産が間に合わないという。大塚家具も運送業者さんが多忙なため、3月中旬に買っても到着は4月の2週目まで待たなければならないというありさまであった。
ヨドバシカメラで買ったホームシアターセットも10日経ってもまだ運送業者がいっぱいいっぱいということでまだ家に届いていないし、実は世の中の多くの会社が、運送会社がフィーを2倍に上げるなどの強気に出ることで、コスト構造の見直しを迫られている(なお余談で応援させていただくと、ベッドマットは日本ベッドというメーカーのシルキーポケットがきわめて快適なので、親愛なる読者の皆様もぜひ日本ベッドで日頃の激務を癒してほしい)。
ただしこれは多くの人が思っているように、この消費拡大は長続きしないだろう。というか、4月から6月にかけての四半期の消費の急激な落ち込みと、その数字が見え出す7月ごろの株価低迷が心配である。いや、観測値はもっと早くでるので株価の反応ももっと早いかもしれない。
第2四半期の消費落ち込みと株価低迷
消費税が上がったときはたいてい同じようなパターンだが、駆け込み需要で一時的に消費が盛り上がり、その反動でしばらく閑古鳥が鳴く。前回消費税が上がったときはまだ日本の構造的経済縮小がそれほど注目されていなかったため、やがて消費も徐々に平準化したが、今回はわけが違う。私の予想だが、多くの消費関連の会社で当初は“消費税増税の影響はミニマム”とか言っておきながら、徐々に下方修正を余儀なくされることになるであろう。
また金融拡大と財政拡大に次ぐ、第3の矢の議論がされているだけで見通しがたたないことに、外国人投資家のみなさんも気づいている。ちなみに外国人投資家が第3の矢に失望し始めていることを、実は政府の内部の人もよくわかっていて、経済特区やオリンピック特需でなんとか成長ストーリーを描こうとしているが、今のところ説得力に乏しく、不発である。
このままでは消費が急激に落ち込み、それを先取りして株価が落ち始めると、過去1年ほど続いてきた“何かが変わりそうだ”という上向きの期待に、冷や水が浴びせられることであろう。
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