「コロナ自粛生活後」人々の意識はどう変わるか 私たちは"転換点"に立っている

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急速に広がった在宅勤務。web会議システムを活用して会議や打ち合わせ、さらい飲み会まで行う状況が続いています。都心で働く筆者の周囲では4月以降、8割以上の会社で実施されている体感です。もはや、リモートワークを活用しないと仕事ができない状態になっているとも感じます。

ちなみにリモートワークの評判は悪いわけではありません。情報共有ツール「Stock」を運営する株式会社リンクライブの調査によると

・無駄な会議から解放された
・飲みニケーション等から解放された
・自分の好きなペースで仕事ができるようになった

 

とプラス面のコメントが多数寄せられています。しかも、若手だけでなく、ベテラン社員も同じような認識が多く、驚きました。さらに半数以上の人々が、新型コロナ収束後もリモートワークを継続したいと回答しています。

ただ、マイナス面もあるようです。例えば、お互いに顔を合わせられないことから生まれる孤独感。慣れないコミュニケーションで、意思疎通面でストレスを抱えてしまった人も。

営業職の知人は、「顧客の新規開拓が難しい。業績に対して悪い影響が出て、評価が下がる不安に苛まれている」との悩みを話してくれました。

ある経理担当者は、自宅に持ち出せない紙の資料があるので置き去りになっている仕事の対策に頭を痛めている、と語っていました。

さらに、対面に比べて疲労度が高い……という不満の声をよく聞きます。

「画面ごしに話すのは、集中力が必要。相手の表情を読み取るのに苦労する。だから、1日に何件もリモートで会議が続くとグッタリする」

と話してくれたのは大手不動産会社の営業部長。大なり小なりの我慢を抱えて、在宅勤務をしている人が大半でしょう。

「対面ありき」が変わりだす

では、この我慢を通じて得られたことはあるのか、ここからは希望的観測も含めて考えていきましょう。

コロナ下の今、自粛せざるえない仕事の代表が「出張」。遠方まで半日かけて移動して、打ち合わせにかかるのはほんの数時間。それでも、やったほうが仕事ははかどると考えられていましたが、出張の代わりに行ったリモート会議で、仕事が完結した経験をした人はたくさんいるのではないでしょうか。この出張とリモートを天秤にかけたときに、費用対効果でリモートを選ぶ人が増えるでしょう。そこで何事も

・直接「会って」話すべき
・全員が同じ場所に「集まって」議論をすべき

 

という発想が見直されるのは間違いありません。

対面の代わりにリモート会議。対面の代わりにメールで対応。あるいは集まらずに個別に作業するという「会わない」「集まらない」選択肢が同列に並ぶことになるでしょう。

例えば、定例で行われる営業会議のために全国から営業部長が東京に集まっていた会社。コロナ終息後に、遠距離移動が可能になっても「リモートでいいのではないか?」と検討して判断するのが当たり前になるでしょう。

もちろん、直接「会う」「集まる」に意味がある仕事もあります。ただ、なぜわざわざ集まるのか? それによる成果は何が得られるのか? 漠然と「集まることに意味がある」と発言する人が「違うでしょ」と思われるようになるはずです。

仕事において効率性を重視した判断が行われる機会が増えるとすれば、意義があることです。おそらく、出張や会議に対して「目的」「成果」などを厳しく求める機運が高まることでしょう。

会社にとっては生産性の向上につながるので、望ましいことです。こうしたことは“アフターコロナ”で得られることかもしれません。個人的には「会う」「集まる」で相手の微妙な反応を感じつつ、目でも確認しつつ、笑いとったり、深刻になってもらったりできる醍醐味とか面白さはリモートでは味わえないこと。リモート反対派ではありませんが、上手に使い分けていきたいと思っています。いずれにしても、早々に終息することを望んで止みません。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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