コロナ終息後に「東京一極集中」は変わるのか それでも人々が「東京」を選んで住む理由
東京定住志向の意外な高さが判明したが、実際の人口移動はどうなっているのか。総務省の住民基本台帳人口移動報告(2019年)によると、東京都は8万2982人、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は14万8783人の転入超過で、一極集中が止まらない。
ただし、年齢5歳階級別でチェックすると、興味深い現象が見えてくる。東京都(日本人住民)の場合、19階級中、12階級で転出超過となっているのだ。
転出超過が多い順に、①0~4歳:4628人②60~64歳:2595人③65~69歳:2024人となっている。ちなみに、50歳以上の階級はすべて転出超過である。
逆に、東京都への転入超過が多い年代は①20~24歳:5万9396人②25~29歳:2万2601人③15~19歳:1万4440人の順で、10代後半から20代の大量の人口流入が一極集中の加速の一因となっているようだ。
子育て世代が転出?
60代以降に転出超過が多いのは、定年後にふるさとに帰る人、東京以外に移住する人、東京以外の高齢者施設に入所する人がそれなりにいるということだろうか。
ここで注目したいのは0~4歳児の転出超過数が全階級のトップになっている点だ。乳幼児は自分だけではほかの道府県に移動できないから、若い家庭の東京脱出が増えているということだろう。東京都の平均初婚年齢は夫32.3歳、妻30.4歳だから、0~4歳児の両親の世代と思われる30代の移動状況を見ると、30~34歳の転入超過数は3316人で、20代に比べ1桁少ない。35~39歳にいたっては99人の転出超過だ。
もちろん、転勤など仕事上の理由で他道府県に移るケースもあるだろうが、30代後半が転出超過となっているのは、転勤だけが理由ではないと思われる。
そこで、次に東京都に住んでいた乳幼児・子どもたちの転出先を調べてみた。
東京都以外の転出先(0~9歳、外国人を含む)を見ると、多い順に次のとおりとなった。
東京圏が圧倒的に多く、次が大阪圏や名古屋圏で、3大都市圏以外は北海道、福岡、茨城、静岡の4道県だ。
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