日本初!究極のヘリ訓練施設がテイクオフ 195の状況を再現、事故撲滅の一助になるか
日本で初めて、世界でも15カ国に21基しか設置されていない――。そんなヘリ専用のフルフライトシミュレータ(FFS)が神戸空港にお目見えし、4月14日から本格稼働する。導入したのは、民間用ヘリで世界最大シェアを誇る、エアバス・ヘリコプターズ・ジャパンだ。
シミュレータは直径6.5メートルの大型ドームと、ドームを支える6本の軸足から成る。内部には同社のベストセラー機「EC135」を模した操縦席や、水平240度、垂直80度の大型スクリーン(LEDプロジェクター)、音響機器などが組み込まれている。
仕組みはUSJやディズニーランドなどにもある、3Dアトラクションと同じものといえばわかりやすいかもしれない。しかし、FFSの動きは、テーマパークの3Dアトラクションとは比べものにならないほど激しい。急降下、急旋回などが続くと、顔面蒼白、冷や汗が流れ、強烈な飛行機酔いを感じる。ベテランパイロットでさえ、時に気分が悪くなるときがあるという。
難しい離着陸が増加
狭い場所や複雑な地形であっても離着陸ができるヘリコプターは、現在、幅広い現場で使われている。山岳救助や海難救助では古くからヘリコプターが大いに存在感を発揮しており、東日本大震災などでも獅子奮迅の働きを見せていた。近年は、専門の医師と看護師を救急現場に運び、治療開始までの時間を短縮できるドクターヘリの活躍も各地でみられるようになってきている。
一方、ドクターヘリの増加につれ、操縦士は学校のグラウンドや空き地、高速道路などでの離着陸も増えている。その時に気を付けなければならないものが、電線やビル街での突然の横風だ。メインローター(回転翼)やテールローターがむき出しとなっていることもあり、ちょっとでも電線などに触れると、機体の制御そのものがたちまち困難となる。
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