JAL導入を突破口に日本でシェア5割目指す

エアバスCEO、対日戦略を語る

ファブリス・ブレジエ●1961年フランス生まれ。エコール・デ・ミーヌ(国立鉱業学校)卒。ヘリ世界大手ユーロコプターCEOなどを経て、2006年エアバスCOO、12年6月から現職(写真:今井康一)
日本航空(JAL)が今年10月初旬、欧州エアバス社と初の機材調達契約を交わした。エアバスが開発中の最新鋭大型旅客機「A350」シリーズを2019年から最大56機(仮契約の25機含む)導入する。これまで日本の航空機市場は米ボーイング社の独壇場で、JALの機材調達はボーイング一辺倒だった。
300席クラスの大型旅客機は、成田~米国、欧州などの代表的な国際線のほか、国内でも羽田~札幌、福岡といったドル箱路線で使用される中核機だ。JALは19年から「A350」の導入を開始し、1990年代後半~2000年代半ばに導入した現行機「B777」を順次、最新鋭の「A350」へと置き換える。
エアバスは世界の中・大型旅客機市場をボーイングと二分する存在だが、日本でのシェアはわずか1割強と大苦戦を強いられてきた。難攻不落だったJALの切り崩しに成功し、日本市場で反撃に転じたエアバス。ファブリス・ブレジエCEOが東洋経済らの共同インタビューに応じ、対日戦略などについて語った。

A350は非常に優れた旅客機だ

――JALから大口受注を獲得できた理由をどう自己分析しているか。
答えは非常にシンプルだと思う。まず、「A350」が非常に優れた旅客機であるということ。すでに世界のエアライン38社から、確定分だけで756機のオーダーをもらっており、こうした数字がそのことを物語っている。

エアラインはLCC(格安航空会社)の台頭などで激しい競争環境にあり、最適な機材に投資しないと、みずからのシェアを失ってしまう。JALは一時、非常に困難な危機に直面した経緯もあって、将来のために機材選定で妥協すべきではない、という強い意志を持っていた。

もう一つの理由として、われわれが日本の市場についてより理解し、信頼してもらうために努力した点が挙げられる。日本の企業は信頼関係を非常に重視する。取引を開始してもらうには、製品が優れているだけでなく、長期にわたって信頼できるパートナーと認めてもらう必要がある。私は若いときに日本で1年間過ごしたので、そのことを知っている。今回の商談では頻繁に日本を訪れ、信頼関係を築くための努力を粘り強く行った。

次ページ整備もサポート
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • コロナ後を生き抜く
  • 小室淑恵 「覚悟の働き方改革」
  • 若者のための経済学
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
悪用された「ドコモ口座」<br>セキュリティーに3つの問題

「ドコモ口座」を使った預金の不正引き出し事件。背景としては、回線契約がなくても口座が使える「ドコモ口座」自体と、安全性の脆弱なシステムで口座接続していた銀行側の双方に問題がありました。情報漏洩の経路も不明で、今後の対応が問われています。

東洋経済education×ICT