日本初!究極のヘリ訓練施設がテイクオフ 195の状況を再現、事故撲滅の一助になるか

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5面のモニターで訓練内容をチェックできる

さらにFFSが優れているのは、シミュレーション能力だけではない。真価を発揮するのは、実は搭乗訓練が終わったあとの復習だ。

別室のトレーニングセンターには、5面のモニターが設置され、それぞれにコックピット内と同じ計器やコックピット内を撮影した映像、CGで再現された機影、飛行経路を表す地図などが映し出される。

これらの画面を見ながら、模擬飛行中に自分が取った行動を、航路や交信記録、計器盤の動き、機体の動きなど、すべてを振り返って学び直すことができるのだ。高度の取り方がどうだったか、どこで操作を誤ったか、障害物への接近の仕方に問題がなかったかなど、あらゆる角度から再検討ができる。

特にエンジン故障などの非常事態を想定した訓練では、最初はあたふたして状況をよく把握できない場合も多い。それを後から落ち着いて、第三者の目となって客観的に見直すことで、いざという場合でも冷静な対応ができるようになるというわけだ。

将来は資格取得も可能に?

米国では、シミュレータを使った訓練だけでヘリの操縦資格が取れるという。日本で免許を取得するには実機訓練が不可欠だが、将来的にはシミュレーション訓練だけで操縦資格が取れる日が来る可能性もある。

これまで本格的なヘリ専用シミュレータが国内になかったため、シミュレータ訓練を受けるには欧州もしくはアジアに行く必要があった。しかし、今春からは渡航費用だけでなく、訓練期間も大幅に短縮できる。「将来を見越しての導入」(安藤氏)という面ももちろんあるが、まずは目の前のリスクファクターを1つ1つシラミつぶしにしていく。

(撮影:ヒラオカスタジオ)

筑紫 祐二 東洋経済 記者

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ちくし ゆうじ / Yuji Chikushi

住宅建設、セメント、ノンバンクなどを担当。「そのハラル大丈夫?」(週刊東洋経済eビジネス新書No.92)を執筆。

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