「趣味人の妄想」がこんなにも深く胸を打つワケ

どこにも行けないGWを心豊かに過ごす発想

コロナ禍で家にいる時間が増えている今こそ、自分なりの大きな楽しみを育むために時間を「投資」してみるのはどうでしょうか(写真:U-taka/PIXTA)

新型コロナウイルスで、1年先の予測もつかない不確実な時代へ。ウイルスが引き起こす健康、経済に続く次なる問題は人々の「恐怖」とも言われます。傷つけ合い、分断が起こる世の中はウイルス以上に恐ろしいことかもしれません。恐れからパニックを起こすのではなく、逆境を力に変えるにはどうすればいいでしょうか。

「不確実」を恐れる人、楽しめる人の差

不確実なことに挑み続ける人はさまざまですが、釣り人もその1人です。想定どおりのことなどほとんどなく、つねに予測不能の事態が起こります。過去の経験や勘も通用しないことばかり。普通に考えれば諦めたり嫌になっても不思議はありません。しかし釣り人はその状況を楽しんでいます。釣り人にとって不確実な状況とは、不安ではなく「楽しむためのフィールド」です。

不確実を恐れる人と楽しむ人、この違いは何でしょうか。

その答えは、「妄想」にあります。釣りとは妄想を実現する営みです。釣り人はすべて妄想します。

日に1度しかないチャンスのために1日中川に立つ人、1円玉に乗る2cmのタナゴ釣りに熱中する大の大人、道で拾った鳥の羽で釣りの擬似餌を作ってみようとする人、市販品では飽き足らず道具を自作する人など。

「魚を釣る」という言葉では到底捉えることができない、人それぞれ絶句するほどさまざまな妄想を釣り人は抱き、妄想を原動力に不確実なフィールドに挑みます。

釣りにおける妄想とは、憧れる情景、求める体験や成果などの願望や夢です。妄想が強ければ強いほど、不確実な状態でもワクワクし、面倒なことすら面白さに変わります。そして妄想が実現した際のうれしさや幸せを高める作用があります。

逆に、妄想がない、薄い場合には、不確実なフィールドはつらくつまらないものとなります

妄想の有無は、釣りの面白さを決めると言っても過言ではありません。

これを、ビジネスの文脈で捉えれば、妄想とは実現したい世界や作りたい未来の姿です。数値としての達成目標などではなく、ワクワクする未来図のこと。対前年比何十%成長やシェアナンバーワンなどの「ねばならぬ」の世界ではなく、実現を「したい」こと

作り出したい未来を妄想し、その想いを関係者と共有できれば、目の前の不確実は実現を楽しむフィールドに変わります。逆に妄想がないと、不確実とは単にリスクや困難でしかありません

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