吉田カバンの売れ筋に見た仕事バッグの選び方 「リュックが便利」というユーザーも多いが
3月中旬、「仕事用バッグ」の選び方を、第一線で働くビジネスパーソンに聞いてみた。
「私はリュック派ですが、バッグを選ぶときは、最初にPC(パソコン)がきちんと入るかどうか。そして、たくさん荷物が入るかを基準にします。外出先でもPCを使う機会が多く、仕事柄、紙の資料や本も持ち歩くので」(30代前半。企画職の女性会社員)
「ぼくは、かなり早くからリュックに変えました」
30代後半の男性はこう語る。PR会社の役員でもあり、選び方の変化を明かす。ちなみに立場上、服装はジャケット姿が多いが、バッグは使い勝手を重視する。
「かつては2wayバッグで、日によって、手持ちにしたり肩掛けにしたりしていたのですが、年々荷物が増え、重い中身を支えられるのか不安になりました。そこで大きめのトートバッグに変えましたが、歩行中に電話がかかってくると、すぐに対応しにくい。結局、両手が自由に使えるリュックにたどりつきました。それ以来、リュック一筋ですね」
新型コロナウイルスの影響が続くが、4月から新年度を迎える会社も多いだろう。実は例年、3月や4月は、12月とともにバッグが最も売れる時季だ。
今回は吉田カバン(※)にも話を聞いた。創業85年になる老舗、「PORTER」(ポーター)などの人気ブランドを持つ、商品の耐久性にも定評がある、などの理由で選んだ。「仕事用」と言っても、業種や職種、役職も変わるだろうが、一般的な視点で考え、メーカーのこだわりも紹介しながらバッグ選びを考えたい。
(※)正式社名は株式会社吉田。名称は「吉」の「士」の部分が「土」
仕事でPCを持ち歩くかどうか
「仕事用であっても、現在は圧倒的にカジュアル化が進んでいます。根底にあるのは職場意識の変化。かつては固い業種と言われた金融機関や公務員でも、例えばスニーカー出勤が認められるなど、通勤スタイルも変わってきました。当社のお客さまでも、PCが入れられて、背負えて、本体が軽い――という商品を求める方が多いですね」
吉田カバンの阿部貴弘氏(広報部マネージャー)は、最近の傾向をこう話す。
同社では毎年、春と秋に新商品展示会を行う。筆者も視察するが、近年はリュック型も目立つ。「背負える」という意味では3Way(手持ち・肩掛け・背負う)もあるが、「手持ちと背負うだけでよい」と考える消費者が増えたとも聞く。
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