吉田カバンの売れ筋に見た仕事バッグの選び方 「リュックが便利」というユーザーも多いが

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「ポータークレド」のブリーフケース(写真:吉田カバン)

「当社には『ポーター クレド』(6万5000円+税)というシリーズがあります。表面の素材は牛ステアで、熟練職人の石井種次郎氏の製作です。石井氏は、日本に5人しかいない“ジャパン・レザー・グッズ・マイスター”という鞄職人の名工です」(阿部氏)

TPOでの服装選びに関係するが、社会人として「場の空気に浮かないか」を意識する人は多い。取材結果では、派手な色使いでない限り、リュックを気にする声は少なかった。

実店舗で選ぶか、通販で選ぶか

外出自粛・自重のご時世で、気軽にウィンドウショッピングもしにくいが、実店舗と通販(主にネット通販)で買う場合は、それぞれこんなことを考えたい。

「お店で買う場合は、自分が気になることは気軽に、店員さんに聞くほうがいいと思います。例えば、ブリーフケースを買うつもりで行ったけど、展示品を見て、ほかの商品がいいと思うこともあるでしょう。その場合もお店の人に相談してみる。説明を聞いて、商品の特徴を教えてもらうと、さらに自分に合う商品が見つかるかもしれません」(阿部氏)

一方のネット通販では、目的買いになるので、あらかじめ使用目的を整理して選びたい。家電や日用品購入と同じように、実際に買った消費者の声を参考にする手もある。

国内の鞄・バッグ市場は「1兆1000億円弱」で推移してきた。矢野経済研究所の発表した「国内鞄・袋物小売市場」の調査では1兆1570億円(2018年度見込み)だった。この10年では、2012年度に9300億円台になって以来、回復基調にある。ただし2020年度は不透明だ。

低価格の品を選ぶ人、数万円以上の品を選ぶ人などさまざまだが、高額のバッグや日本製の品質のよい商品は、コロナ騒動以前はインバウンド(訪日外国人)にも人気だった。

バッグ選びには消費者心理も透けて見える。今年は、気持ちが前向きになる春にはなりにくいが、新年度や新学期の参考となれば幸いだ。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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