周囲の人間の観察は、正しい
年齢を重ね、ベテランの域に入ってきたとき、周囲はその人の仕事力はもちろん、人間としての器も観察しています。そして意外とその観察は正しい。人は自分のことはよくわからなくても、他人のことは冷静に批評できますから。
このケースでは、あなたの修行僧のような1年の取り組みは、上司の同僚やその上司たちが気づいていたり、評判が耳に入っているでしょう。だって、できない上司が、苦手を克服した仕事ぶりを発揮するのですからね。そしてあなたは、それをネタに何かをたくらんでいる様子でもない。人間としてもできたヤツだということになってきます。
そしてある日、上司の上司の部屋に呼ばれ、上司のポジションを内示される、ということだって十分にありえるのです。目の上のたんこぶだった上司は「ところてん」式に、その席からいなくなり、上司でなくなり、同僚になる。そしてあなたはこれまでに学んだことを基に、思う存分、力を発揮すればよいのです。
仕事上での成長感だけでなく、周囲からの人としての評判も、共に手に入れているはずのあなた。そのとき、きっとその上司との出会いに感謝し、上司に愛情を感じていると思いますよ。さらに言えば、もし上司のいすに座ったら、あなたに許せないと思われていた頃の上司の気持ちもわかってきて、申し訳ない気持ちにもなるかもしれません。
これらのことを、何のたくらみも戦略もなくやり通せる人が、本来は、組織で評価されていきます。でもたくらみを持たずにはこれを実践できなければ、胸に秘めてやり通せば同じこと。サラリーマン最大のチャンスをぜひ生かして、最高の成長感を味わってみてください。
でもね、ひとつだけ。人には必ずいいところがあるのです。そこにいるかぎりは必ず価値があるのです。その人の気に入らないところはそれとして、優れたところを見つけて尊重することができなければ、あなたも評価されることはないのですよ。偉くなる人は、人を総合点で見るのではなく、優れたところと課題とにわけて見ています。人をランク付けして評価のラベルを張る前に、あなたのその課題に目を向けてみることを忘れずに。
※読者の皆様からのお悩み、ご相談を募集します。こちらのアドレス(onna-sodan@toyokeizai.co.jp)まで、年齢、ご職業等を記載のうえお寄せください。掲載は匿名といたします。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら