日経平均2万円接近でも過熱とは言えないワケ 株価がコロナ感染者増でも上がっている「謎」
まず、4月16-17日のマーケットから振り返ろう。4月16日のNYダウ(工業株30種平均)の33ドル高を受けた17日の日経平均株価は、朝から急騰した。これには本当に驚かされた。
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)ダウのミニ先物が急上昇したためだが、理由は2つだ。まずドナルド・トランプ大統領が経済活動再開に向け、全米各地の感染収束の度合いに応じて制限緩和・解除を3段階で進めることを盛り込んだ実施手順を公表したことだ。さらにトランプ大統領は29程度の州がまもなく経済活動を再開できるとの見方も示した。
2つ目は、米バイオ医薬品メーカーのギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」が新型コロナウイルスに劇的に効いたと報じられたことだ。
「感染者増なのに株価上昇」には違和感?
これを受けて17日の日経平均株価は607円高の1万9897円で終わり、チャートでは引け値ベースで4月2日の1万7818円が2番底としてほぼ確定した。さらに3月19日の1番底1万6552円から、ダウ理論における「弱気相場脱出20%上昇」の地点である1万9863円を、わずか33円だけだが超えた。
もちろんこの程度は誤差の範囲で、確定とは言えない。しかも、日本における新型コロナウイルス禍は収まるどころか、緊急事態宣言が全国へ拡大している。感染者数が1万人を超え、感染爆発寸前の恐怖の中での株価の強さには違和感を抱く投資家も多いと思われる。そこで今回の新型コロナウイルス相場に付いての考え方を整理しておきたい。
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