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接触機会8割削減策がズレていると考えるワケ なぜ通勤客の削減を重視しすぎてしまうのか

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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ここで、諸外国から非難されたという事実は、それぞれのグループにどう響くか。グループBの「意識高い系」と言われる人々は、特に欧米の論調に敏感である。また自分たちはグループCの人々と違って知的であり、新しい情報に敏感だと思っている。しかもそれは欧米からの知識である。グループBの多数派は自粛に変わっていく。それだけでなく、自粛をするべきだ、とSNSを中心に説いて回ったりする。

Cグループの人が動けば、成功と言えるか?

これで世論は盛り上がり、「緊急事態宣言をしろ!」の大合唱。そして、ここでグループCのムードも変わってくる。しかし、依然としてあまり危機感はないから、緊急事態宣言という言葉だけに踊らされる。また、どこかの知事が「ロックダウン」と叫び続けたために、コロナではなくそちらの現実的に想像できる恐怖に突き動かされる。「4月1日の木曜日に緊急事態宣言が出る」といったデマが流布し、場所によってはスーパーに殺到するような事態も見られた。その週末から、自粛ムードが高まり始めた。グループCが動き始めた。

そして、ついに、有識者的な世論に負けて、あるいはそれに乗ろうとする知事に負けて、政府も緊急事態宣言。ここでグループCの動きは決定的に変わり、雪崩を打って自粛に変わる。

さて。では、結局のところ紆余曲折はあったが、最後にはうまく行った、人の流れを変え、感染が社会的に広がるリスクを抑え込むことに成功した、と言えるのか。

これは50%だ。

流れは変わり、流されやすいグループCの割合が高いから、「接触8割削減」には成功するだろう。そして、こういう流れの下では、グループBのなかで、自己判断でリスクはそれほどないと思っている人々も社会環境から行ってリスクを取って行動を続ける価値がなくなるから(投資で言えばリターンのチャンスはなくなるから)、自粛へ行動を変える。これはファクトに基づく流行に対する迎合である。

しかし、これでも効果はまだ半分だ。なぜか。

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【なぜ効果は「まだ半分」なのか?】

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