安倍政権の経済対策は日本を必ず弱体化させる

この緊急策は何が根本的に間違っているのか

内閣支持率も低下、「隠れ白髪」も増えたようにも見える安倍首相。本当に必要な対策とは何なのだろうか(写真:つのだよしお/アフロ)

新型コロナショック後の経済対策が出揃った。安倍晋三首相氏いわく「空前絶後」で、第2次補正予算も、第1次補正と同規模の総額117兆円となった。今回の記事では、日本経済の現状や見通しを冷静に議論し、本来必要とされる経済対策は何かを考え、政府に対する代案を提言したい。

今回の新型コロナショックの本質とは?

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まず、前提条件として経済の現状や見通しを整理しよう。5月30日配信の記事「日本に今度こそ『本当に深刻な危機』が来る理由」でも議論を少し行ったが、今回は日本に絞って整理、議論しよう。

現在、コロナ対応の行動制限は全国で解除され、最後に残った東京圏でも「東京アラート」なるものは発動しているが、段階的に制限が外れてきている。この結果、一部の業界を除いて、これまでの3カ月とは別世界の経済、以前の経済がおおむね戻ってくる。

まず、マクロ経済全体では需要不足は存在しない。理由は以下の3つだ。第1に、いわゆるストックは何も傷んでいない。つまり、大震災が起きたときなどと異なり、物理的な設備、農地などのストック資産、生産要素となる資本は何も傷んでいない。生産する気になれば、すぐに生産できる。したがって、経済全体のインフレは起きず、供給も需要も普通であるはずである。

第2に、金融資産が失われたわけではない。バブルに乗って無駄な投資をしてしまったわけでも、無駄に消費してしまったこともない。だから、金融資産は残っている。実際、株価は下落したが、日経平均株価で見るとショック前から9割以上回復した。

第3に、より重要なのは、金融資産だけでなく金融機関が直接傷んではいないことだ。今後、個別の企業が倒産することなどにより、貸付債権の劣化が進む可能性はある。だが、金融機関がバブルに投資して、資本を大きく毀損したことは今のところはなく、コロナショックで直接影響を受けていないセクターに貸し渋りを通じて波及する可能性は小さい。

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