日経平均2万3000円超でもあまり驚かないワケ 「2つのデータ」が中長期での株価上昇を示唆

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米メイン州の大手検体採取機器メーカーを視察するトランプ大統領。新型コロナの影響は甚大だが、株価は大半の投資家の想定を超え急ピッチで上昇している(写真:AP/アフロ)

5月初の日経平均株価はまだ2万円近辺にいた。だが、それからわずか1カ月で2万1000円、2万2000円と1000円単位での大台を回復。先週5日金曜日のシカゴ日経平均先物はついに2万3000円をも超えた。筆者としては、年末さらには来年に向けて、株価は上昇基調をたどると予想していたため、株価が上がること自体に違和感はない。

「急ピッチの上昇」を主導したのは誰なのか?

ただ、目先は株価の上昇スピードの調整色が表れると予想していた。前回の「『株価は暴落するはず』と考える人に欠けた視点」でも「日米等主要国の株価は、今後も基調としては「保ち合いに毛が生えた程度の上昇」がずっと続く、と予想している」と述べた。その点で、ここ1カ月ほどの株価上昇の速さは、筆者の想定以上であった。

この日経平均株価の急速な上昇をもたらした材料としては、確かに日本国内でも緊急事態宣言の解除など、経済活動再開へ向けての動きがある。だが、主として「アメリカの株価が上がったから」という点が、最大の上げ要因になっているように思われる。「アメリカ株が上がれば日本株も上がるだろう」といった全体観から、海外短期筋が日経平均の先物を買う、あるいは短期筋の売り方が買い戻しを行う、という動きが主導していると推察するからだ。

というのは、海外短期筋が全体観から日本株を買いに出る場合、個別銘柄を選んで買うわけではなく、株価指数先物を買う形になる。この際、別にTOPIX(東証株価指数)先物を買ってもよいが、日経平均先物の方が通常取引高が多く、売買もしやすい。そこで短期筋が日経平均を押し上げ、結果としてNT倍率(日経平均÷TOPIX)が上昇しがちになる。

このNT倍率をみると、5日には14.179倍と、3月初旬の14.182倍にほぼ並び、ここ近年の最高値近辺(とは言っても、筆者は2000年以降のデータしか調べていないが)に達している。

加えて、株価上昇の理由が何であろうと、上昇基調が崩れないと、押し目を待っていた向きが待ちきれず買いに出動している(個人も国内機関投資家も)、という面もあるだろう。

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