「米失業率が最悪でも株価上昇」で大丈夫なのか

もう一度「暴落」する危険性はないのだろうか

失業率は歴史的な水準に達し、トランプ大統領の支持率もかんばしくない。だが株価は上がっている。これは正しいのだろうか?(写真:ロイター/アフロ)

5月8日金曜日に、4月分のアメリカの雇用統計が発表された。失業率は14.7%に達した。これは、リーマンショック後(2009年10月)の10.0%や1982年12月の10.8%を超え、第2世界大戦後最高の最高水準だ。1930年代の大恐慌時は、現在と統計の定義が異なり、単純に比較はできないが、「軍人を含まず農業従事者を含む労働力人口」に対する失業者の比率は、ピークで25%程度であったと推察される。今回の失業率はそれには及ばないが、かなりの高水準だと言える。

「雇用が桁違いに悪化でも株価上昇」はおかしい?

また今回発表された4月分の非農業部門雇用者数は、前月比で2050万人減となり、過去最大の減少幅だ。ただ、単月の増減数で比較するのは適切でないだろう。そこで、現局面の雇用者数のピークである今年2月から4月までの累計の雇用者減少数をみると、2137万人となる。

これに対し、リーマンショックの辺りでは、アメリカの雇用者数はリーマンブラザーズ破綻前の2008年1月にすでにピークをつけており、雇用者数の当時の最低値は2010年2月だ。その2年強にわたる雇用者の減少幅は、累計で871万人となる。この点でも、現局面の雇用減は、桁違いだと言える。

ところが、同日のアメリカの主要な株価指数は、こうした雇用統計のすさまじく悪い内容にもかかわらず株価指数は前日比で上昇した。そのため、シカゴの日経平均先物も、2万0200円を超えて引けている。

このような、主要国における、経済指標の不振と株価の堅調さのギャップは、先週末だけの現象ではなく3月後半の株価の大底形成以来、傾向的にはずっと続いている。そのため、「新型コロナウイルスの流行による景気後退で、株価は底割れするはずなのに、堅調なのはおかしい、間違いだ」との声も聞こえる。

しかし筆者は、確かに足元の株価には短期的に浮かれ過ぎの面はあるが、これまで当コラムで何度か述べてきたように、3月後半の安値で主要国の株価は大底をつけ、今年後半から来年に向けて上昇基調をたどる、と見込んでいる。

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