2月24日、日本は3連休で株式市場は閉まっていたが、世界的な株式の急落が始まった。アメリカのNYダウ平均株価は史上3番目の1031ドルという大幅な下落(下落率は約3.6%)となり、ナスダックはさらに大きく下げ、約3.7%の急落となった。欧州の主要指数も軒並み下落し、新型肺炎の感染者が拡大したイタリアは5%以上、ドイツも4%を超える大幅な下落となった。
今まで下落しなかった方がおかしかった
当然だ。これまで暴落していなかったのがおかしいのだ。新型肺炎の医学的な脅威はどこまでなのかはまだわからないが、経済的ダメージは明白だ。株式投資家は新型肺炎に「過小反応」だったが、一般の人々は異常なほどの過剰反応を見せている。
もはや、中国経済は機能停止していると言っても過言ではない。学校の授業などはほとんどすべてがオンラインで行われているように、多くの人々は家から出ない、出られない。工場にも出勤してこない人も多い。これでは消費ももちろんだが、世界の生産機能の大半がストップしてしまう。
こうした話を毎日ニュースで聞かされているのだから、生産活動や消費動向の指標を見なくたって、企業収益は短期的には落ち込むに決まっているし、株価はリスクシナリオでとりあえず、いったん大きく調整するに決まっている。
それなのに、なぜ株価はこれまで下がらなかったのか。これまでは「押し目買いのチャンス」、「一時的な不安だからファクトを見れば買いだ」、という「嘘の情報」が流れたのだろうか。
それは、株式を持ってしまっている投資家の都合である。
今、売られてしまっては、含み損が出てしまって困る。あるいは自分が売り逃げることができなくなる。だから、売り場を作るために、相場を短期的に持続させ、あるいは持続するような情報を流し、あるいは、意識的にまたは無意識的に、悪い情報を軽視し、良い情報だけを受け入れ、投げ売りをせずに来たのである。まさに、期待の自己実現を図ったのであり、超短期的には成功したのである。
その化けの皮がはがれただけである。このような「インチキ」ともいえる化けの皮のことを、普通はポジショントークというが、これを見抜く方法は簡単である。
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