「金価格はこれから一段と上昇する」と読む理由

すでに日本円は「安全資産」ではなくなった

株価が下がっても金価格は一段と上昇している。1グラムの小売価格は税込みで6000円を大きく突破(銀座の「GINZA TANAKA」本店で、撮影:尾形文繁)

金価格が一段と上昇している。直近は「歯止め」が掛からないほどだ。NYの金先物市場は「プレジデント・デー」を含めた3連休明けの2月18日から買いが加速。21日には1トロイオンス(約31.1グラム)=1640ドル台と、2013年2月以来の高値を更新(中心限月の終値ベース)、僅か4日間の間に60ドル近く一気に値を伸ばす展開となった。さらに、週明けの24日も止まらず、一段と上昇した。

背景にあるのは、もちろんCOIVD-19(新型コロナウイルス)の感染拡大に対する懸念の高まりだ。だが急速に騰勢を強めてきたのは、それだけが要因ではない。今回は足元の金市場の急騰の理由は何なのか、この先もこの上昇は続くのかをしっかりと分析してみたい。

金急騰の背景には何があるのか

金価格に関しては、すでに今年1月10日付のコラム 「中東情勢緊迫で2020年は金が一段と上昇する」 で、年内に1トロイオンス=1800ドルまで上昇すると予想するなど、もともと2020年度の「イチオシの投資対象」としてかなり強気の見通しを示していた。だが、足元の上昇の勢いは、この1月当時の見立てを遥かに上回っているというのが実情だ。

「安全資産としての需要の高まり」と、「FRB(米連邦準備制度理事会)による緩和政策の再開に伴う投機資金流入」の2つが、相場の大きな押し上げ要因になるとの見方については今も変わりはない。

1月の時点では安全資産の需要が高まる背景として、中東情勢の更なる緊迫を上げていたが、そこにCOVID-19の感染拡大という大きな不安材料が加わったのだから、上昇圧力が強まったのも当然といえば当然だろう。

2月初めには「感染拡大の経済への影響は限定的なものにとどまる」との見方が浮上、金にも売り圧力が強まる場面も見られた。だが、ここへきて感染が中国やその周辺国にとどまらず、欧州や中東にまで拡大してきたことで、市場の不安も改めて高まってきている。つまり、いったんは楽観的な見方が優勢となったのが、その後再び状況が悪化するというパターンは、市場心理をさらに悲観的な方向に煽る恐れが高いだけに、注意が必要だ。

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