サングラスの奥に見た、タモリの誇りと優しさ 「笑っていいとも!」、もう「終わってもいいとも」

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サングラスの奥に見たまなざし

さて、最後にタレントたちのタモリさんへのメッセージの中で、印象的だった2人を挙げよう。ひとりはローラ。別にローラのことは名前を知っている程度だったわけだが、わざと涙を演出したり、泣きながら冗談を言うことでウケよう、としている複数のタレントの嘘くささが鼻につく中、彼女の心から発せられる純粋な一言一言は、お茶の間でぼけっとみていた私のハートにも届き、ここだけの話、もらい泣きしてしまった。彼女は自分が画面のアップで映っていないときも、時折、大泣きしており、いちばんタモリが共演者に愛されていることを実感する瞬間でもあった。

次に印象的だったのが爆笑問題の太田さんの場面だ。先日の首相出演に関して何かを言おうとして遮られていたが、この怒らないタモリさんが怒ったという首相への二言、「SPの、観客への態度がひどい」と、「バラエティ番組がバカにされている」の2点である。たとえ一国の首相といえど、自分の32年間守ってきた番組の愛する観客を不快な気持ちにさせるのは許せない、また自分が人生を投じてきた“はたから見ているとふざけて遊んでいるだけ”とみられがちなバラエティ番組の世界への、深い愛情とプライドをそのサングラスの奥に垣間見た気がした。

これは一般的に言い換えれば、一流の仕事をするためには、自分のお客さんやビジネスパートナーへの愛情を抱き、また周りからどう思われていようと、自分の仕事へのプライドを有していることが重要だということだろう。

タモリさん、私はそろそろ会社に出勤するために、ここらへんで筆をおきます。ランチタイムにテレビでこっそり見るのが楽しみだったのに、また日曜の特番でいつものタモリさんの姿を見られなくなるのが残念ですが、32年間お疲れさま、ありがとうございました。

最後の終わり方も、「明日も、また見てくれるかな?」で終わったタモリさん。日本のお茶の間を32年間見守り続けてきた尊敬すべき偉大なバラエティ番組に、深い敬愛の気持ちを込めて、「本当にお疲れさまでした。もう肩の荷を下ろして、“終わっても、いいとも”」と慰労の言葉を送りたい。

ブラザー・キム

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東洋経済オンライン「グローバルエリートは見た!」およびびベストセラー「世界中のエリートの働き方を一冊にまとめてみた」の著者の後継者。香港を拠点に世界を飛び回り、コラムを執筆する。

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