派遣社員だけで業務遂行してもいいですか? プロに「聞く!人事労務Q&A
リスク回避のために社員常駐を
派遣社員は、派遣先の指揮命令を受けて業務を行う立場の労働者です。派遣先の指揮命令者からの業務指示によって仕事を遂行していきます。
よって、法律的には、派遣先の社員が常勤していなければならないという制限はなく、職場に派遣労働者のみであっても、業務を行うことについて法的な問題はありません。
しかし、派遣先事業主は派遣元事業主と同様、派遣労働者に対する労働時間の把握、安全衛生管理責任、セクハラ対策措置など、数々の労務管理上の責任が問われます。
たとえば、もし、職場に社員がいない間に派遣社員が労災事故に遭ってしまったら、もし、その派遣社員に機密情報が盗み出されてしまったら・・・多くのリスクが生じる可能性があり、社内だけでなく社外に対しても、その責任を派遣社員に負わせることは難しいでしょう。
これらのリスクを回避するためにも、社員を常勤させるようにしたほうがよいと思われます。派遣労働者に対する派遣先の責任分担を法令ごとに整理しましたので、参考にして下さい。
<労働基準法>均等待遇、強制労働の禁止、公民権行使の保障、労働時間、休憩、休日、産前産後の時間外・休日・深夜業、生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置
<安全衛生法>職場における安全衛生を核とする事業者の責務、衛生管理者の選任等、安全衛生教育(作業内容変更時、危険有害業務就業時)、職長教育、健康教育など、労働者死傷病報告書提出義務
<男女雇用機会均等法>妊娠・出産等を理由とする不利益取り扱いの禁止、
職場におけるセクシュアルハラスメント対策の措置、妊娠中および出産後の健康管理に関する措置
(撮影:尾形文繁)
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