現金給付が「今のままでは無駄足」に終わる理由 「必要な人に給付を届ける」ための2つの提言

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この問題を解決するために、わたしたちは、所得が下がらない公務員等給与所得者、年金受給者、失業保険者、生活保護者等を除いた全世帯に一律で支給し、所得が下がらなかった人たちや一定以上の所得がある人たちからは所得税で実質的に返金してもらう方法を考えました。

まず5月に、10万円を支給します。政府の予定どおり給与明細書などがあればそれをお持ち頂いたうえで申請していただきます(郵送・電子メールも可)。ただ証明書類がなくても、申請は受け付けます。これによって申請する国民の準備の手間、可否を判断する自治体の手間が省けます。給付金は課税所得の扱いです。

給与所得者は12月の年末調整で、自営業者などは来年1~3月の確定申告で課税されるので、高額所得者からは実質的に給付金が返金されます。どの程度返金してもらうかは、これから被害の状況などを確認して、年内に税率を検討すればいいでしょう。

これによって、郵送あるいはインターネットでの申請も現実的になります。そうすれば、市町村窓口が3密スポットになることはなくなります。

電子マネー導入を検討する時機

支給方法について、電子マネーの導入が中期的な課題です。

今回は、給付のスピードを考えると、現金貨幣で給付するしかありません。しかし、2008年にリーマンショック、2011年に東日本大震災、そして今回の新型コロナウイルスと、数年おきに経済対策をしている状況を踏まえると、電子マネーの活用を推進する時機だと私たちは考えます。“中期”とは今年度中を想定しています。

私たちは、給付金をプリペイド式やポストペイ式などの電子マネーを利用して支給することを提言します。これは、以下のような海外の先行事例と同様のもので、技術的な問題はありません。

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