直感型の天才が打算と地味な努力にこだわる訳 起業家4人が本音で語る「日本のサードドア」
日本にもついにスタートアップの波が来ている。12万部突破のベストセラー『サードドア』に描かれた著者アレックス・バナヤンの世界観は、起業家のマインド、挑戦する精神に重なるものがある。
実際に、今日本で活躍するスタートアップ起業家たちにサードドア・マインドは根付いているのか? それを検証すべく、本書に共感し、グローバルな起業シーンをよく知り世界8カ国でスタートアップ投資を行うベンチャーキャピタルのサイバーエジェント・キャピタル(CAC)代表取締役の近藤裕文氏の助力を得て、注目の4人の起業家に声をかけて座談会を開催することとなった。その座談会の模様を、2回に分けてお届けする。
参加者はサブスクライフ社CEOの町野健氏、シナモン社CEOの平野未来氏、バベル社代表取締役社長の杉山大幹氏、ペイミー社代表取締役の後藤道輝氏(文中敬称略)。
人の助けを借りて試行錯誤する
近藤裕文(以下、近藤):ここにいる皆さんは独力で道を切り拓いてきた方ですから、『サードドア』のエピソードには重なる部分がおありではと想像します。
「シナモンAI」の平野さんは、AIスタートアップのトップランカーですが、学生時代に情報処理推進機構(IPA)の「未踏ソフトウェア創造事業」に挑戦されていますね。
平野未来(以下、平野):はい。考えてみれば私の人生は裏道ばかり、サードドアだらけでした。バックパッカーの時代もありましたが、「未踏」は私がはじめてサードドアを開いた経験ですね。
これは、世界を変えるような技術を作った人に助成金を出すというプログラムで、私はありがたいことに合計で2500万円の助成金をいただいて、最初の事業をはじめました。
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