「PMS・PMDD」に苦しむ彼女を支える男性の献身 白米を玄米に変え、野菜中心の料理を作った
5年ほど前、東京都在住の30代、佐々木剛さん(仮名)は、保育士をしている彼女とのけんかに悩まされていた。
付き合い始めて2カ月経つ頃「生理周期と関係しているのではないか?」と思うようになる。半年を超える頃、それは確信に変わった。
普段は大丈夫なのに、彼女は生理前になると些細なことでイライラし、口調が刺々しくなり、それを指摘するとけんかになることが多く、ひどいときは包丁を持ち出し、大声を出して暴れる。
佐々木さんはインターネットで調べ、PMS・PMDDという生理前にだけ現れる疾患があることを知る。
バイエル薬品が制作し、婦人科などで配布している冊子『生理前カラダの調子やココロの状態が揺らぐ方へ PMS 月経前症候群』によると、約74%の女性が、月経前や月経中に身体や心の不調(月経随伴症状)を抱えているという。
月経随伴症状とは、月経前はPMS(生理前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)、月経中は月経困難症と呼ばれる症状だが、日本ではまだあまり知られていない印象だ。
しかし、ホルモンバランスの変化により、精神状態や体調が変化することに気づき、悩んでいる女性は少なくない。
そこで、実際にPMSやPMDDに苦しむ女性の事例を紹介することで、PMSやPMDDについての理解を社会に広められたらと思う。
ハーブティーを作ろう!
PMS・PMDDという疾患を知った佐々木さんは、本や論文を読み漁り、知識を蓄えていった。
「PMSとPMDDの境界線は、自分で自分がコントロールできるかどうか、周りに危害を加えるかどうかのようなので、おそらく彼女はPMDDだったのではないかと思います。でも、いきなり彼氏にPMSだPMDDだと指摘されても受け入れ難いと思ったので、ハーブティーを作ることにしました」
もともと佐々木さんは、中国からプーアル茶を輸入・販売する仕事をしていたため、中国のお茶事情には明るい。
最初はプーアル茶ベースだったが、はやり始めたルイボスティーに変更。チェストツリーやセントジョーンズワートなど、PMS・PMDDに効果があるとされているハーブのブレンドの割合は、海外でPMS・PMDD向けに販売されている商品や、本や論文を参考にした。
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