「PMS・PMDD」に苦しむ彼女を支える男性の献身 白米を玄米に変え、野菜中心の料理を作った
ノンカフェインやオーガニック、香りなどにこだわり、完成したのは約1年後。
当時彼女は婦人科にかかり、ピルを飲んでいたが、「ピルは血栓症も怖いし、できるだけ薬は飲みたくない」と思っていたため、少しずつハーブティーに切り替える。
すると、彼女とのけんかの頻度が減っていく。
佐々木さんはハーブティーを商品化し、インターネットを通じて販売を始めた。
PMS・PMDDが佐々木さんの人生を変えた
現在佐々木さんは、保育士の彼女とは別れ、1年半ほど前から夜の仕事をする女性と付き合い始めている。
彼女も生理前の不調に悩まされており、けんかになると植木鉢を投げつけ、翌朝には覚えていないこともあった。ピルなどの薬を試したが合わず、薬以外で何とかできないか悩んでいた。
そこで佐々木さんは、彼女の生活リズムや食生活を少しでも整えようと、さまざまなサポートを始めた。
「生理前はインスリン抵抗性が上がるため、血糖値が上がると、インスリンが働かなくなる傾向があるようです。インスリンを出すのが遅れると、脳が慌てて大量のインスリンを出すため、脂肪に糖が蓄えられやすくなるらしく、生理前に炭水化物や甘いものを食べると低血糖のような症状になることが多かったり、過食気味になってしまったり、食後に強い眠気に襲われたりするのは、このためのようです」
基本は睡眠をしっかり取り休養すること。そのうえで、糖質の種類を変えるため、白砂糖でなく、未精製のもの。お米は白米ではなく玄米。パンは全粒粉のものを使うようにした。
「野菜中心ですが、冷たいものはあまり作りません。単品でお腹がいっぱいになり、温めれば食べられるものを用意しています。僕が何か用意していると思えば、彼女は余計なものを買って帰って来なくて済みますから……」
砂糖は使わず、野菜の甘みを引き出すようにし、どうしても甘みを補いたい場合は蜂蜜を使う。
「血糖値のジグザグを緩やかにすることが大切だと思います。お腹が空くとイライラするのは、血糖値を上げるためにアドレナリンが出るためらしく、PMSやPMDDのときに低血糖の症状が出る人はそのペースが早く、1日に何回も空腹感に見舞われ、イライラするようです」
甘いものが食べたいときは、香りで脳はだまされるので、チョコレートなら砂糖控えめでカカオ多めなものを選ぶ。フルーツはビタミン類が豊富で身体にいいイメージだが、糖質が高いのでなるべく控たほうがいいという。
「最近は、コンビニでも健康食品とか低糖質惣菜などが置いてありますが、それだけではあまりおいしくないので、タレを工夫するなど、少し手を加えてます」
また、休みの日には、2人で歩く時間を大切にしている。
「例えば歩道を並んで歩いているとき、彼女にはなるべく木が生えている側を歩いてもらいます。これだけでも、森林浴の効果があり、心が落ち着き、PMSやPMDD時の食欲やイライラを抑えてくれるようですよ」
森林浴や日光浴は、セロトニンの分泌を促進し、気分を安定させ、リラックスさせる効果があるといわれている。
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