「PMS・PMDD」に苦しむ彼女を支える男性の献身 白米を玄米に変え、野菜中心の料理を作った
長時間一緒にいれば、けんかになることもある。佐々木さんは、PMS・PMDD時のパートナーとのけんか対策として、「逃げる」ことを推奨している。
「以前は応戦していましたが、PMSやPMDD期間中の彼女には、何を言ってもダメ。でも、僕も人間ですから、けんかすれば疲れるし傷つく。心が折れそうになるときもあります。だけどPMSやPMDDじゃないときの彼女はかけがえのない人です。それなら逃げるしかありません。だから彼女にはつねに話しています。『僕は嫌だと思ったらその場から離れるから、戻ってこないと思ってパニックにならないでね。信じて待っててね』って……」
最も大切なのはストレスケア
PMS・PMDD時の女性の多くは、厳しくされると攻撃性が増し、優しくされると甘えてますます我を通そうとしてしまう。
私自身、PMDDのときは些細なことでイライラしてしまうので、夫にはあらかじめ「そろそろ来るから」ということを伝えている。
そうすれば、万が一けんかになりそうなときでも、夫がまともに応戦しなければ最悪の事態は避けられる。
「生理を知ることで、女性をより深く理解することができ、僕自身がだいぶ楽になりました。パートナーの生理を把握している男性はどれくらいいるのでしょうか。不機嫌やけんかに規則性があって、その後に生理が来るようなら、PMSやPMDDの可能性大。本人にとってはコントロールし難い衝動ですが、周囲の人が正しい対策をすれば、被害は抑えられます。知識さえあれば、せっかく出会えたパートナーとPMSやPMDDのせいで別れ、後で悔やまずに済むのではないでしょうか」
データがあるわけではないが、もしかしたら離婚や、母親による子どもへの虐待などといった社会的な問題にも、PMS・PMDDが関わっているかもしれない。
大切な人を失いたくないなら、女性は、「つらい」「イライラする」「眠いので寝かせてほしい」「甘えさせてほしい」と正直に伝え、自分の感情を相手と共有し、自分の中に不満を溜めない。
「これらを伝えても責められたら、そんな男性とは別れるべきだ」と佐々木さんは言う。
「安定剤を服用するよりも理解者のハグです。人の温もりに勝るものはないと思います。また、ストレス源を減らすために、安心できる住環境を整えてあげること。ストレス源が家族なら、家を出ることを勧めたほうがいいかもしれません。そして、けんかのときには一時的に距離を置いても不安にならない信頼関係を築いておくこと」
また佐々木さんは、男性に実践してほしいことも提唱。
「最後に、忘れないでほしいのが、『自分を大切にすること』。支える人が倒れたら終わりですから」
PMS・PMDDは、ストレスが呼び水になっているとの報告もある。
女性はPMSやPMDDのとき、実際はそうでなくても、孤独感や孤立感にさいなまれることが多いため、しっかり向き合うことが大切だ。リラックスして会話できる相手がいれば、安心感が得られ、救われる。
生理前に苦しむ人を少しでも減らすために、PMSやPMDDという疾患を、男女問わず、多くの人に知ってもらいたいと思う。
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