「名もなき家事」で心身が壊れる前にすべきこと 「トイレットペーパーの芯」でも爆発する

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ママのほうも、「自分がやったほうが早い」と見切りをつけてしまうと、結局自分の負担が減りませんから、多少やり方が違っても、おおむねOKなら目をつぶることも大切です。

講座などでママたちからよく聞かれるのが、「察してほしい」「言わなくてもやってほしい」という言葉。でも、普段家事育児をワンオペで回せるほどではないパパのほうは、何をしなくてはならないかがわかりません。この意識の差を狭めるためには、パパの経験値を上げることが必要です。

そのときのコミュニケーション法として意識したいのが、I(アイ)メッセージで伝えること。これは、「なんで手伝ってくれないの!」と怒りをぶつけるアグレッシブなメッセージではなく、「(私は)◯◯してほしい」「(私は)〇〇してくれるとうれしいな」といったアサーティブなコミュニケーションで伝えるということです。

「朝のタスクを書き出してみたけれど、これだけあったよ。もうちょっとゆとりをもって朝の準備をしたいからタスクをシェアしてほしいのだけど、この中でどれができる?」というような感じで相談してみましょう。

このときのポイントは、選んでもらうということ。人間には選択欲求があるので、「○○してよ!」と言われるより、「どれならできる?」などと相談されたほうがスムーズに受け入れやすい傾向があります。

「パートナーへのイライラ」に対するポイントは次の3つです。

①パートナーは別の人間、具体的に伝えよう
②できないことにいら立つより、教えよう
③役割分担や家事育児のシェアについて夫婦会議をしよう

1番は、ママの大変さがパートナーに伝わっていないことが多いこと。ママ自身も、「パートナーは忙しいから」「帰りが遅くて話す時間がないから」と諦めず、夫婦で時間を取って、まずは大変さを伝え共有しましょう。そのときにイライラや怒りをぶつけるのではなく、「家族が笑顔で暮らしたいから、協力してほしい」というスタンスで伝え相談することが大切です。

子どもに対しても有効!

「タスクリストの書き出し」は、子どもに対しても有効です。親が逐一「〇〇しなさい」と言うよりも、自分のペースを大事にしたい、指示されたくないという子どもの気持ちを尊重するほうがうまくいくこともあります。

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4歳くらいになれば、お子さん自身も考えてアイデアを出せると思います。時間があるときに、「朝起きたら、保育園に行くまでに、歯磨きをして、ご飯食べて、着替えないといけないよね。いつも出かけるのがぎりぎりになるけど、どうしたらいいかな?」などと子どもに相談してみましょう。

時間の配分や、順番なども相談してみましょう。着替えを選ぶのも、例えば前夜に相談して準備しておくとそのぶん、時間的な余裕ができるでしょう。

わかりやすくスケジュールを書き出して、貼り出してみるのも一案です。子どもと一緒に「朝と夜のスケジュール表」を作ってみましょう。時計の絵を書いて「○○の時間」などと、書き出してみてもいいでしょう。または、タスクリストを作って、完了したらお気に入りのシールを貼るなど、楽しくできる工夫を子どもと考えてみましょう。

誰か1人に「名もなき家事」の負担が偏っているなら、家族と話し合ってシェアし、助け合う。そうして、全員が笑顔でいられる家庭を目指しましょう。

高祖 常子 認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事

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こうそ ときこ / Tokiko Koso

子育てアドバイザー。育児情報誌『miku』編集長。NPO法人ファザーリング・ジャパン理事など多数の子どもの人権を守るための委員を歴任。所属学会は、日本子ども虐待防止学会、日本子ども家庭福祉学会など。東京都出身。短期大学部卒業後、株式会社リクルートで約10年、学校・企業情報誌の編集にたずさわり、妊娠・出産を機にフリーに。幼稚園教諭、保育士などの資格を持っている。著書に『イラストでよくわかる 感情的にならない子育て』『パパ1年生』(かんき出版)など。

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