ポレポレ東中野に育ててもらった
──『さよならテレビ』のSNSでの反響がすごかった。とくに初日からの数日間は、行列ができるラーメン屋さんのようで。行っても入れないという口コミがあふれていました。大きな劇場だと、こうした動きは起きなかったかもしれない。まず、劇場選びはどうされたのでしょうか。
東海テレビの作品に関していうと、ほとんどがポレポレ東中野です。1本目の作品を公開したときに劇場さんからも「入らなくても少なくとも3本まではやろうね」と言ってもらったこともあります。「これは入りそうな作品だから大きな劇場にもって行こう」という考え方もありますが、観客が入らない作品もちゃんと上映してもらっているので、この作品できっちり映画館を支えていきたいというのは東海テレビにもうちにもあります。
──それは仁義みたいなものなのでしょうか。
まあ、そうですね。劇映画の場合、「製作費がこれだけかかっているから、費用を回収するためにどれぐらいの館数でやらないといけない」と計算をするわけですが、ドキュメンタリーの場合は制作費が少ないので、そういうことがない。あと、うちには会社を大きくしたいというのがない(笑)。
会社を少しでも長く存続させて、できるだけ多くの映画を上映する。それが社会にとっても豊かなことになると思っているので、持続させることが第一だと思ってやっています。
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