宅飲みと乳酸菌、コロナで伸びた意外な売れ筋 コンビニ影響は限定的、記者が語る小売り業界

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デスク)他の業界でも、意外な売れ筋が出ているのかな?

D)食品業界でもここ最近、需要が急増している商品がある。即席麺を販売する東洋水産は、休校やテレワークによる「お昼ご飯需要」でカップ麺などが大きく伸びているようだ。とくに2月最終週から3月初週は「爆発的な伸び」だったと広報担当者は説明していたよ。

また、乳酸菌入り食品の売れ行きも好調だ。もちろん、新型コロナウイルスへの直接的な効果は示されていないにも関わらず、消費者のマインドが影響しているようだ。

明治ホールディングスの乳酸菌飲料「R-1」やアサヒ飲料の「L-92」、キリンビバレッジの「イミューズ」は売り上げが大きく伸びているよ。明治の広報担当者は「各メディアで免疫力向上アイテムとして取り上げられたことが需要増につながった」と説明していた。

E)森永乳業も、乳酸菌ブランド「シールド乳酸菌」の販売が伸びている。雪印メグミルクもドリンク、ヨーグルトの2月販売は、ともに前年を超える売れ行きだった。

運送は一部地域でサービスを停止

デスク)ところで、運送会社はどんな状況?

F)国内外の航空会社が相次いで減便を実施していて、大手宅配3社は、この影響を少なからず受けている。海外向け荷物の配送については、一部エリアで一時的にサービスを停止する例も出ている。

国際旅客便の大規模な減便・運休を受け、ヤマト運輸は1月末から香港、台湾、シンガポール、タイ(バンコク)での「国際クール宅急便」の荷受けを停止した。航空会社では、旅行客と同時に荷物を運ぶことが一般的で、配送が遅延すれば、荷物の品質が維持できない。

とくに、クール宅急便は保冷しなければならないので、配送遅延は品質に大きな影響を与える。このあたりが、一部地域でサービスを停止した理由のようだ。

コロナショックに直面した企業の最新動向を東洋経済記者がリポート。上の画像をクリックすると特集一覧にジャンプします

デスク)ほかの大手2社も同じような状況かな?

F)基本的にはそう。佐川急便も2月26日から、イタリアの一部地域でのサービスを一時停止した。外務省の感染症危険情報では、イタリアのロンバルディア州などが、渡航中止を勧告するレベル3に引き上げられている。

日本郵便では、国内旅客便の一部減便・運休に伴い、速達郵便物やゆうパックなどの配送で配送遅延が一部地域で起きている。

デスク)運送会社の業績も下方修正しそうなの?

F)現時点では、それはなさそうだ。影響は小さくないが、大手宅配3社の売り上げに占める国際宅配便などの割合は小さい。それぞれの業績計画を押し下げるほどには現時点ではなっていない。国内の荷動きへの影響も、まだ確認できていない。

もちろん、今後の動向には注視が必要だろう。「中国からの部品などの供給が滞ると、国内の荷動きが鈍化する懸念がある」と話す関係者は少なくない。新型コロナウイルスにより景気が後退すれば、日本国内の宅配便の荷動きも鈍化しかねないね。

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