デスク)ショッピングモールや総合スーパー(GMS)の状況はどうだろう?
B)映画館やスポーツクラブ、カルチャースクールなどが集積する大型ショッピングモールも来館客が大きく減っている。新型コロナウイルスの感染者が多い北海道で店舗を展開するイオン北海道は1月以降、お客さんの数が目に見えて減っているという。主力の食品販売が苦戦しているようだ。
イオングループは3月15日まで、全国142モールの営業時間を午前11時から午後8時までに短縮している(基本は午前10時~午後10時)。モール内のアミューズメント施設や映画館も、臨時休業などの対応をしている。
業績影響について、イオングループは「精査中」としているが、ドラッグストア事業や金融事業などが下支えしても、GMSは冴えない状態が続きそうだよ。
ユニクロの春物新作は発売がずれこむ
デスク)アパレル業界も影響がありそうだね。
C)そう。アパレル業界は海外生産が9割以上を占める。そのため、店頭売り上げだけでなく、中国工場の稼働停止や物流遅延により、品ぞろえに影響が出始めている。
ファーストリテイリング傘下のユニクロは、中国での物流遅延などで2月下旬に発売予定だった春物の新作商品の一部で納品が間に合わず、3月上旬にずれこんだ。
デスク)ユニクロは規模が大きいので、かなりの影響を受けているのでは?
C)ユニクロはベーシックな商品を中心に展開して、事前の大量生産で在庫を比較的早い段階から確保していることもあり、足もとの生産や物流遅延などの影響はそこまで大きくない。大変なのは、トレンド商品をそろえるアパレル企業だ。
セレクトショップ大手のユナイテッドアローズは、中国工場の稼働遅れなどにより、4月には最大3割の商品で納品が遅れるかもしれない。百貨店アパレル大手のオンワードホールディングスは、春物商品に一部納入遅れを見込み、百貨店アパレルの三陽商会も3月下旬以降の品ぞろえに影響が出る懸念がある。