「もう全然ガラガラ。これまでは平日・休日問わずぎゅうぎゅう詰めだった千本鳥居が、土曜日なのにスイスイ通れちゃう。ここ何年か経験していない人の少なさだ」
京都の観光名所である伏見稲荷大社のそばで土産屋を営む女性は、肩を落としながら語った。
京都・嵐山は「スイてます」キャンペーン
新型コロナウイルスが観光業に打撃を与えている。京都市観光協会が春節期間(1月24日~30日)における市内16ホテルの利用状況を調べたところ、中国人宿泊客数は前年の同じ時期と比べて約30%減少し、客室稼働率も約10%下落した。百貨店における春節期間中の免税売り上げも13.5%減少していた。
京都の嵐山商店街は「スイてます嵐山」と題し、閑散としているいまが地域を訪れるチャンスだと訴えるプロモーションを展開。嵐山商店街の石川恵介副会長は「地域から不謹慎という声もあがったが、嘆いてるだけではダメ」と割り切るが、こうした施策がどこまで需要回復につながるか未知数だ。
東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)などのテーマパークは長いところで4月上旬までの休園を発表。USJ近隣の大型ホテルの従業員は「約600ある客室のうち、平日・休日を問わず100室しか埋まらない。早く日常に戻って欲しい」と嘆く。
全国旅行業協会が加盟する5600の中小業者を対象に調査したところ、日本人の国内旅行キャンセル・延期件数は2月20日から28日までの9日間累計で35万6000人にのぼった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら