イベント自粛が大打撃!「観光業」の視界不良 京都観光はガラガラ、テーマパークも休園

✎ 1〜 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

貸し切りバスのキャンセルも急増している。日本バス協会が79事業者に対して実施した調査によれば、2月に前年同月比14%減だった運送収入は、3月は同51%減に落ち込む見通しだ。

倒産する事業者も出てきた。神戸市のクルーズ会社・ルミナスクルーズは3月2日、新型コロナウイルスの余波とみられる多数のキャンセルが発生した影響で民事再生手続の開始を申し立てた。

帝国データバンクや東京商工リサーチによると、京都で着物レンタル事業を営んでいた京洛和蒼が新型コロナウイルスの感染拡大による外国人観光客の急減により、2月に事業停止に追い込まれた。

中国の団体旅行禁止で観光客が急減

愛知県蒲郡市の旅館・冨士見荘は2月、注力してきた訪日外国人のツアーが新型コロナウイルスの影響で相次ぎキャンセルとなり経営破綻。北海道で観光バスを運行する味十商事も2月29日に営業を休止し、従業員約10人を解雇した。

コロナショックに直面した企業の最新動向を東洋経済記者がリポート。上の画像をクリックすると特集一覧にジャンプします

観光業界へ新型肺炎の影響が本格化したのは、中国政府が1月末に団体旅行を禁止してからだ。中国からの旅行客は急速に落ち込み、全日本空輸や日本航空(JAL)は中国路線を大幅に縮小。「SARS(重症急性呼吸器症候群)などの時と比較しても(業績の見込みは)かなり厳しい」(JALの菊山英樹専務)と強い危機感をにじませていた。

当初、ホテル業界からは「団体旅行が禁止される直前に春節が始まったおかげで、多くの中国人客が日本に到着できた。日本企業による宴会も延期にはなっても中止にはならない。うちはじたばたしない」(都内の大手ホテル)という声もあがっていた。

次ページエイチ・アイ・エスの業績修正で衝撃
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事