葬儀ビジネスの大黒柱、「生花祭壇」めぐる戦い ベンチャー・大手が激突!

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 かつては葬儀の花といえば長持ちする菊が主流だった。だが今やトルコキキョウやユリ、カーネーションなど、洋花が数多く使われる。とげがあるからと敬遠されてきたバラも昨今では人気の花の筆頭だ。色合いも白を基調とした淡い色から、原色のものが加わるようになった。また、結婚式のブーケと見紛うようなアレンジも多く見受けられる。

 

74年に熊本で設立され、06年に業界初となる東証マザーズ上場を果たした、ビューティ花壇の岩下貴宏商品開発管理室室長は、「かつては技術力だけで差別化できたが、今後は道具も含め、新しいものを提案する力が求められる」と語る。同社では新しい祭壇のデザインを提案するのにCGを用いるなど、デザインのスピード化にも力を入れている。

高齢化により、葬儀の施行件数は増加の一途にある。だが葬儀の小規模化や不況のあおりで、1件当たり平均単価は下がっている。熾烈な価格競争が繰り広げられる中、生花店の経営も決して安泰ではない。

ビューティ花壇の岩下氏によれば、今後必要となるのは「空間演出の意識」。結婚式と同じく、花を用いていかに葬儀全体を彩るか。そのデザインセンスが問われる時代になってきた。だが、結婚式と葬式の決定的な違いは、「結婚式には新郎新婦がいて、花は脇役であるのに対し、葬式では花が故人を表す主役である点」(日比谷花壇・金澤氏)。葬儀の結婚式化が進む中、葬儀における花の役割は、名実ともにますます高まっていくに違いない。

(ルポライター:澁川祐子 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済)

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