葬儀ビジネスの大黒柱、「生花祭壇」めぐる戦い ベンチャー・大手が激突!
葬儀業界の市場規模は現在、推定1兆3000億~1兆5000億円といわれている。経済産業省の統計によると(下図)、業界全体がなだらかな成長を続けていることがわかる。
葬儀の費用で大きな割合を占めているのが、数十万円する「祭壇料」だ。現在、祭壇の主流は、白木祭壇から色とりどりの花を用いた生花祭壇へと移りつつある。ビジュアルでのインパクトが強い生花祭壇は、葬儀社にとって格好のアピールポイント。さらに供花、献花など、花は葬儀の要所要所で顔を出す重要な脇役でもあり、他社との差別化を図るうえで、花の役割が大きい。1件の葬儀で花の売り上げが全体の3分の1を占めるといわれるほど、生花は葬儀社の重要な商品なのだ。
一方、生花業界においても、需要の約3割は冠婚葬祭など業務用が占める。長引く不況で切り花の需要が伸び悩む生花店にとって、一度に300本もの量がさばける生花祭壇は、ビジネス的にたいへん魅力的な商材だ。
全国ネットと口コミで街の花屋も「葬儀」に参入
実は今、この生花祭壇を軸とした葬儀ビジネスが、これまでにない盛り上がりを見せている。
東京・青山に本社を置くリベントは、「街のお花屋さんが葬儀のお手伝いをする」というコンセプトで2002年に設立された。顔の見える街の花屋を葬儀の相談窓口としてネットワーク、顧客に対し敷居を低くするとともに、小売り主体の生花店が葬儀事業に参入するきっかけを作った。