子供の捲土重来も、母親の執念がカギ 受験の失敗にも、母親が寄り添うべし

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成功体験や達成感に勝る教育はない

守山様のお子様は成績も良かったようですし、もし私なら前出の木村さんのように母親の強い執念で、子供に受験勉強を継続させます。アルプスの少女ハイジのように伸び伸びと育てることは、この時代ではほとんど望めませんし、またトットちゃん(窓際のトットちゃん参照)のような天性のものを持っていない限り多くの子供さんたちは、これからもずっと大なり小なりいつも競争にさらされて生きていくことになります。そしてその競争のレベルもいろいろです。

困難なことに挑戦し、努力して報われた時の達成感や成功体験を持つことは何にも勝る教育ですし、努力したが報われなかった人も、そこから何かを学びとって次に生かすことを知る人も、努力を無駄にしなかった意味で強く、敗者ではありません。

勝者・敗者と分けて考えるのは好みではなく正しいことでもありませんが、一度や二度の失敗で親も子も簡単に方向転換したり、これまでの努力を生かそうとしないのは一事が万事で、悪循環に陥る罠にはまるケースが散見されます。

努力が報われた時の喜びを得たり、報われなかったときの受け止め方や立ち直り方を学べたりするのは、努力した人のみの特権です。一流大学を出ても社会で力が発揮できていない人、そうでない大学出身者なのに、卒業した時にはすごい資格の保持者だったりするのは、やはり、いつどこで何に挑戦し、どのように努力したかで決まるのではないでしょうか。そして12歳のお子さんのこの時期の母親のリードはとても大切です(自由放任教育で優秀なお子さんを育てられた親御さんからは、また失笑を買いそうですが)。

大学まで保証されているからと進路を学校任せにせず、子供さんの特性を見出して、高い目標に向かって努力する学生生活になりますよう、親子でもう一度話し合われることをお勧めします。子供さんの人生は、まだ始まったばかりですから。

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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