神をもおそれぬ不道徳なセックスがテーマ
ハンクがどれほど下半身に無責任なダメ男かは、初回冒頭のアバン(オープニングに入る前のプロローグ)だけで十分に伝わるに違いない。教会を訪れて、キリスト像に「人生、どん詰まりだ」と絶望を訴えるハンク。そこへ現れた修道女(えらくセクシー)が、おもむろにハンクのズボンのジッパーを下ろしてフレームアウトする。キリスト像をてのひらで隠しながら、「ああジーザス、地獄行きだ」とうめくハンクに視聴者はギョッとするだろう。
さすがにこれは夢なのだが、挑発的な幕開けである。まるで神をもおそれぬ背徳的な男性の話ですよと、視聴者に対して宣戦布告しているようでもある。まあ、そう深刻なドラマじゃないので、これは少々おおげさか。
タイトルの『Californication』とは、ドラマの舞台である“California”と、“姦淫する”という意味を持つ“fornic”を掛け合わせた造語。つまり不道徳なセックスが本作のひとつのテーマとなっているのだが、第1話だけでも女性のヌードが何度出てきたことか!(答え:正味30分弱で4回)。
「いい女を見つけたら手を出したくなるのは男の性」とのたまうハンクは、当然のことながら、いつもいい思いばかりするわけじゃない。いろんなタイプの女性がいて、ものすごく“痛い目”に遭うことも少なくない。
その一例が、第1話の書店で出会って引っかけた(引っかけられた?)若く魅惑的な美女。騎乗位でセックスしている最中に「イキそう?」とハンクに聞いた彼女は、突然、ハンクの顔をグーで2度も思い切り殴りつけ、満足げに立ち去るというシーンがあり、ハンクも視聴者もあぜんとさせられる。
目の周りにできたアザを隠すために、サングラスをして呼び出しを受けた娘の学校にカレンと出向く姿は、文字どおりイタ過ぎて情けない。しかもほどなくして、かの美女の正体はカレンの恋人の娘(16歳)だったと判明するのだから、人として完全に終わっている(注:だまされた形とはいえ、これは犯罪。ハンクは後にツケを払うことになる)。
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