なんとなく使う「事実と真実」の正しい使い分け 日本人だからこそ「無意識」に使う日本語
アン:宮本さん、この間友達と話していてふと思った。真実と事実って同じ意味だと思っていたけど違うと!?
宮本:真実と事実。面白いところに目をつけましたね。日頃よく使う言葉ですが、真実と事実の違いを正しく説明できる日本人は多くないかもしれません。まず、この2つの単語に使われている漢字「実」の意味はわかりますか?
「真実」は人の数だけある!?
アン:実は……ってよく言うよね。だから、本当のところは、みたいな。
宮本:そうです。真実も事実も、うそ偽りのないことを指します。事実とは実際に起こったうそ偽りのない事柄のこと。でも、真実は事実に対する偽りのない解釈のことなのです。
アン:事実は誰が見ても変わらないけれど、真実は人によって変わるということ?
宮本:その解釈で間違いないと思います。使い方を見ていくとさらによくわかります。「事実」を使う言い回しは、
●事実が判明する
●周知の事実
●事実無根
となります。どれも、絶対的なものとして扱われているのがわかるでしょう? 一方、「真実」は、
●真実を述べる
●真実を告白する
●真実味がある
となります。打ち明ける、述べる、語る、というように、人の口から語られる印象になるのがわかりますか。事実は実際に起きた事柄、真実はその事柄に対する解釈が入るということです。
事実には人が関与しないが、真実には人が関与する。面白いのは、だからこそ、事実には反論できませんが、真実には反論できるということです。
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