40代が同窓会で絶賛した、国語教師の"神授業" 20年後に差がつく「最も大事な能力」
私のクラスの子どもたちは、作文用紙を渡してすぐに、全員の鉛筆がすらすらと動き始めます。原稿用紙1、2枚を埋めるのはあっという間。みんな「話すように書く」ことができるので、作文が苦手という子は1人もいません。
この指導法はちょっとユニークだったので、話を聞きつけた先生たちから頼まれ、他学年、他校の生徒たちの作文も指導するようになりましたが、どのクラスの子たちも、たった3日間で作文がすらすら書けるようになっています。
彼らはいま、働き盛りの30〜40代。学校を卒業した後も、小学校での学びが仕事に生きているというのはうれしい限り。教師冥利につきます。
文章に苦手意識があると仕事のチャンスも逃してしまう
彼らの話で印象的だったのは、「文章を書けることがどれだけ仕事で有利か」というものだけではありません。「文章に苦手意識のある同僚がどれだけ苦労しているか」「チャンスを棒に振っているか」という話も興味深く聞きました。
そうなのです。「活字離れ」が叫ばれて久しい現在ですが、実は人類史上、ここまで「文字でのコミュニケーション」が必要とされている時代はありません。メールや報告書、議事録、企画書だけではありません。LINEだって、文字のコミュニケーションなのです。
やり取りが対面でも電話でもなくなった今の時代は、文章に苦手意識を持っていると、それだけで仕事のパフォーマンスに影響を及ぼします。
うんうんうなりながらメールの返信文を考えている間に、スマートな同僚は別のプロジェクトを任され、チャンスをつかんでいきます。
あまりに基礎的な能力なので、見落とされがちですが、これからAI時代に突入しても、どんな職業につくにしても、「自分の考えを文章で表現できること」は、人生を成功に導く武器になります。
しかし、ここで1つ問題があります。この「作文を書く力」。どのように伸ばしていいのかわからないという声が多いのです。
「漢字の書き取りや算数は教えられるけれど、作文はどうやって指導すればいいのかわからない」
これは、親御さんからだけではなく、現役の学校の先生からもよく聞く悩みです。たしかに作文には、これといった正解はありません。どのように指導していいのかわからないという気持ちもわかります。
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